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森山開次、蓮沼執太、三浦直之らが語る、芸術の定義を疑った過程とアクセシビリティ

2025.11.25

『TRAIN TRAIN TRAIN』

#PR #STAGE

三浦直之が向き合ったのは、3次元(舞台)から1次元(文字)への翻訳

―次は言葉に関して、三浦さんいかがですか。

三浦:普段戯曲やシナリオを書く時は俯瞰的な目で書くことが多いけれど、今回いわゆる台詞を喋るキャラクターは、(岡山)天音さんが演じる詩人レンだけなので、一人称で世界を見ていく感覚が強いかもしれないです。ストーリーに関しては開次さんと1年近く話し合いを続けていて、僕の最初のスタンスとしては、まず「最高の読者になろう」だったんですね。つまり開次さんが絵で示してくださる物語を読み解き、そこから「どんな言葉がつくれるだろう?」を考えていこうと。

―お稽古場にも通いながら言葉を紡いでいるとか。

三浦:先ほどの蓮沼さんの話を聞いて思いましたが、文字や音が、どこから言葉となり詩となるのか、「そんなプロセスが見えたらいいな」というのは、ちょうど僕も考えていたところで。今日も稽古場で開次さんと「もっと文章になる前の、ポツンとした言葉が散りばめられてもいいんじゃないか?」みたいなことも話していたところですし。これは稽古場に来ていなかったら、生まれなかったアイデアだったと思います。

―今回三浦さんは、音声ガイドの執筆も手掛けられます。

三浦:まだ取りかかり始めたばかりで、すごく難しいけど、面白い作業なんです。なぜかというと、「舞台を観るとはどういうことか」について、これまで以上に、深く深く考えなくてはいけないので。舞台という3次元のものを、文字という1次元のものに移す……例えば、背景に月が浮かんで、誰かが踊っている場面の解説を書く場合、同時に全部を文字で表示することはできないじゃないですか。その時に自分はどう書けばいいのか? という選択を、ずっと迫られていくわけですよね。舞台に自分は何を観ているのか……? ここを丁寧に見つめることは、演劇人としても大事な作業だと感じています。

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