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蓮沼執太が「時代の申し子」たる所以。21世紀の音楽の停滞、その後を佐々木敦と語る

2025.11.19

#MUSIC

「歌」にフォーカスした『メロディーズ』

―2016年にはソロ名義の『メロディーズ』を発表されます。

蓮沼:『時が奏でる』のリリースツアーもあって、この時期はものすごく過密にずっと何かやってたので、インプットしようと思って2014年にニューヨークに行きました。

あとはこの少し前の時期に、坂本美雨さんとアルバム(2014年『Waving Flags』)を作るとか、赤い公園のサウンドプロデュース(2014年『猛烈リトミック』)とか、Negiccoの編曲(2015年“自由に”)とか、ポップミュージックに関わる機会があったのも大きいんじゃないかなと思います。

蓮沼執太『メロディーズ』を聴く(Apple Musicはこちら

―『メロディーズ』はフィルでさらに加速した歌心が生かされている印象を受けます。

蓮沼:僕は曲の作り方をいつも変えたいと思っていて、『メロディーズ』は自分の声から旋律を作っていったんです。曲は鍵盤を触ってるといくらでも作れるわけで、でもそういうものとは違った、自分の中から出てくるものを試したいと思って。「歌」で自分なりのものを作ってみようということで、「声」にフォーカスして曲を作っていったのが『メロディーズ』です。

これは今でも思っていますけど、僕はミュージシャンではないんですよ。「僕はこれです」って楽器があるわけでもないし、でもそういうわけにはいかない。自分にあるのは「音を作ること」なんじゃないかと思って、『メロディーズ』を作ってる途中ぐらいにEMSのSynthi Aっていう極めてシンプルなアナログのシンサイザーを買ったんですよね。

―音楽の領域においても活動範囲が広がりつつ、サウンドのポテンシャルを深めていった期間のように感じますが、バランスを意識することはあったんでしょうか?

蓮沼:バランスではないですね。バランスを取ろうと思ってやってるわけじゃなくて、両方が同時に走ってる感じかな。

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