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Khakiのことが気になってる業界人は今すぐ連絡を
━アルバムリリースに伴って、初めての全国ツアーにも出られました。各地でゲストアーティストの出演がありましたが、そのラインナップを見るとTexas 3000やANORAK!、NOT WONKとあって、「なるほど、Khakiはこういうシーンにいるのか」と早合点しそうになったんですが、水中、それは苦しい、中村佳穂さん、The Novembersもいて、これは一筋縄ではいかないなと。お二人は「こういうシーンの中にいる」という認識はありますか?
平川:うーん、ないですね。メンバー5人とマネージャーさんだけでやってるから、主観的な見方しかできないので。このツアーのゲストも、呼んだら出てもらえて嬉しいというだけです。シーンの恩恵とかも受けたことがないからなあ。

橋本:僕はどこかのシーンに入りたいみたいな気持ちはあまりなくて、自分たち発信で作っていけたらいいなと思います。
━ツアーのゲストを見ていても、それぞれのバンドに共通点はないけど、Khakiが真ん中に立つと相関図が成立する感じがします。
平川:おお、めっちゃ嬉しい。「〇〇系のバンド」だからじゃなくて、ただかっこいいと思って呼んだので。こういうのを大きくしていって、フェスとかやってみたい。
橋本:フェスはやりたいね。
━橋本さんは事務所「ア柿印」の社長でもあるので、こういったライブ制作とかバンド運営の中心になる場面も多いと思いますが、そもそも社長になった経緯は?
橋本:みんなやりたくなさそうだったんで(笑)。会社化する前から運営や経理は僕がメインでやっていたんです。みんなも「社長は橋本くんがいいんじゃない」と言ってくれたんで「じゃあやります」と。

平川:あまりにも他のメンバーがそういうのに向いてないからね(笑)。
橋本:裏方的なことをやるのもむしろ好きですし。でも、最近はちょっとしんどくなってきました。個人でデザインと映像の仕事もやっているので、その兼ね合いもあるんですよね。バンドがめちゃくちゃ忙しい時に個人の依頼も入ってきて、月末の経理も重なってパンクしそうになるとか。
━これまでもメンバーが裏方も兼務して運営しているバンドはありましたけど、大抵はメジャーデビューして地盤を築いた後にそういった形式を選んでいるか、アンダーグラウンドでマイペースに活動しているかのどちらかが多いと思うんです。Khakiのように初めから自分たちでやりつつ、フィールドを広げていく活動をしているのは、ロックバンドだと珍しいのかなと。
平川:本当に誰にも構ってもらえないから自分たちでやり始めただけなんですよ。今も誰からも何も言われないですから。対バンした若いバンドとかが「SoundCloudに音源あげたらレーベルから連絡きました」とか言ってるのを聞くと、「そんなことあんの!?」って思う(笑)。すごいなって。

平川:レコード会社とか事務所とかと一緒にやることになったら、やっぱり自分たちだけでやるほうがいいと思うかもしれないけど、比較できないので。これしかやり方を知らないから、あんまり分からないです。事務所と契約してる人が毎日インスタに曲をあげてたりするのを見るけど、契約したら俺たちもやるのかな?
橋本:やるんじゃない? 仕事だし。自分たちで色々やってきましたけど、やっぱり個人でできる範囲は決まってるんですよね。規模が大きくなってるバンドのみなさんはCMに使われたり街で流れたりするじゃないですか。そういう正規のプロモーションをやってみたいという気持ちはありますね。

━いわゆる音楽業界的な動きというか。
橋本:僕らのことを知らない人なんてめちゃくちゃいっぱいいるんで、街中とかで流れるだけで全然違ってくると思うんですよね。僕らががんばってSNSをやるよりも、いろんな人が聴いてくれるんだろうなと。難しいですよね。
━「Khakiのことが気になってる業界人は今すぐ連絡くれ」ってことですよね。
平川:そうですよ。遅刻もしないし、人柄もいいし。酒も飲めるし(笑)。『Hakko』はスペースシャワーの流通なんですけど、色々な縁で繋がって、僕らから相談する形で一緒にやることになったんです。たまにそういうことがあるとものすごく嬉しくて。がんばっちゃいますよね。