INDEX
「ガキ感」のある自分に似合う音楽性に音楽塾で出会う
━高校卒業後に音楽塾ヴォイスに入学したんですよね。どんな目標を持って入学しましたか?
Baby Canta:目標は売れること。「天才だから余裕でしょ」と思ってたけど……入ってからすぐに叩きのめされました(笑)。でも、叩きのめされて良かったです。

Baby Canta:僕はそれまで邦楽をよく聴いていたんですけど、ヴォイスは洋楽をベースに教える学校で、「邦楽禁止令」みたいなものを出されたんですよ。最初は洋楽を聴くことに慣れていなかった自分も、だんだん慣れてきて。いろいろな音楽を知って、DTMでの作曲も学んで……というなかで、作る曲のバリエーションが格段に広がったんですよね。
━「今まで知らなかったけど、このニュアンスは僕に合ってるな」と感じた音楽ジャンルはありましたか?
Baby Canta:ファンクやニュージャックスウィング(※)は僕のキャラクターに合っているなと思いました。ちょっと跳ねたシャッフルのリズムが、僕の「ガキ感」、やんちゃさみたいなものと共通する。元々ウルフルズとかを聴いて育ったので、ソウルやファンクには馴染みがあったんですよ。プリンスがすごく好きになったのも、タイトな音楽を昔から聴いていたからだろうし。ヴォイスに入ってから、そういうことに気づいたんですよね。
※1980年代中盤にアメリカ合衆国で発生し、1980年代後半から1990年代前半にかけて流行したファンクやヒップホップ、ソウル、ゴスペルなどを融合させた音楽スタイル

━子どもの頃に聴いていた音楽と、今学んでいる音楽が実は繋がっていたという発見があったんですね。ところで、Baby Cantaさんの楽曲には、弱さや葛藤を歌ったものも多いですよね。たとえ背景にシリアスなものがあったとしても、楽曲自体は明るくしたいという気持ちがあるんでしょうか?
Baby Canta:“Brother”を作ったときも「弟が大変な時期だからバラードにしようかな?」と思ったんですよ。だけど「いや、僕の性格には合わないな」と思い直して。生きていると苦難とか葛藤がどうしてもあるけど、そんななかでも僕は楽しい曲を……聴いた人に楽しくなってもらえるような曲を作りたいんですよね。それは“ビビッてバビッてブー”や“The Weak”に関しても一緒です。
━ご家族で歌う時間が楽しかったこと。クラスで誰も仲間はずれにならないようにしていたこと。みんなと一緒に温かい時間を過ごしたいという思いが音楽にも表れているんですね。
Baby Canta:本当にそうですね。「基本ピースでいたい」という思いが根底にあります。
