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新世代SSW・Baby Canta初取材 「時代に名を刻む存在になりたい」その一歩目の「挑戦」

2025.11.27

Baby Canta

#PR #MUSIC

ブラックミュージックのグルーヴとロックの躍動感を併せ持つ、新世代アーティスト、Baby Canta(ベイビー カンタ)。星野源の“SUN”のカバー動画が一晩で20万再生を記録して以来、その独創的な音楽世界で注目を集めている。

彼の音楽の根底にあるのは、「ピースでいたい」という一貫した思い。家族との合唱文化の中で育ち、誰1人仲間はずれにしたくないという温かい感性は、そのまま楽曲作りの姿勢に反映されている。

ロックに救われた経験から生まれたパッション、そして大切な人へのメッセージを込める彼の楽曲は、聴く人の感情に寄り添い、前に進むモチベーションを与えてくれる。彼の飾らないルーツと未来に迫る。

Baby Canta(ベイビー カンタ)
東京生まれの22歳。小学生からギターを弾き、高校卒業後にDTMと作詞作曲を開始。SNSに投稿した星野源の“SUN”のカバー動画が一晩で20万再生を記録し注目を集める。1stシングル“ビビってバビってブー”はJ-WAVE「SONAR TRAX」選出、各チャートで上位入り。2025年EP表題曲“SHYBOY”は全国53局パワープレイに決定。11月には新曲“I LOVE YOU BABY”を配信リリースした。ブラックミュージックのグルーヴとロックの躍動感を併せ持つ、新世代アーティスト。

「誰1人欠けてほしくない」という気持ちが生まれた家族との思い出

━まず、音楽を始めたきっかけについて聞かせてください。

Baby Canta:お父さんがギターを持っていて、それを小学校5年生の時に弾いたのが始まりでした。お父さんは車の中でもずっと音楽を流していましたし、ギターを弾きながらウルフルズとかをよく歌ってました。その影響で僕も弟と“ガッツだぜ!!”を歌ったり……小さい頃だから覚えてなくて、何年かあとにビデオを見せてもらって「こんなことあったんだ!」と驚いたんですけど(笑)。

Baby Canta:みんなで合唱することが多い家でしたね。おばあちゃんの誕生日に関西の親戚も巻き込んで“オー・シャンゼリゼ”を歌ったこともありました。しかも奇妙礼太郎バージョンというこだわりがあって(笑)。

━いいですね。みんなで歌う文化がある家。

Baby Canta:「自分で音楽を作り始めよう」と思ったのは中学生の時で、星野源さんの“SUN”に衝撃を受けたのがきっかけでした。理屈じゃなくてパッションで楽しめるような楽曲だなと感じて。別にバラードじゃないのに、よすぎて涙が出てきちゃったんです。僕にとって初めての体験だったし、その瞬間「ああ、俺って音楽が好きなんだな」と思いました。

━学生時代はどんな子どもでしたか?

Baby Canta:学校って「明るい子たちのグループ」と「大人しい子たちのグループ」で分かれがちじゃないですか。周りの人からはよく「Cantaはどっちでもないよね」と言われてましたね。どっちとも仲よくなれるタイプだったし、満遍なくみんなと話してました。

意識的にそうしていたんですか?

Baby Canta:意識はしてました。僕はこういう性格なのもあって……えーっと、どういう性格なのかというと(笑)。「誰1人として欠けてほしくない」みたいな気持ちがあって。教室の中ってグループになって楽しそうにしている人たちもいれば、輪に入れずに1人ぼっちになっている人もいるじゃないですか。そういう人を見かけたら「仲間に入れてあげたいな」と思っちゃうんですよ。なので、できるだけみんなと話すようにしてました。

━なるほど。どうして意識的にそうしようと思ったんですか?

Baby Canta:僕自身、元々そんなに周りと馴染めるタイプではなかったから、そういう人を増やしたくないという気持ちが出たのかなと思います。

━Baby Cantaさんは周りに気を遣う性格なんですね。

Baby Canta:確かにめっちゃ気は遣ってました(笑)。でも根本的にあるのは「みんなと喋るのが楽しい」「いろいろな人の考えを聞くのが好き」という気持ちだったので、苦ではなかったですね。1人でいると、「苦しい」とか「悲しい」と思っても自分の中にため込んでしまいがちじゃないですか。ため込むのはつらいことだし、僕自身も信頼している人に悩みを打ち明けて、気持ちが楽になるようなこともあります。

基本的に「ピースでいたい」という性格だし、そもそも「嫌なことがあったらどんどん言っていく」「都度共有していく」という家庭で育ったので、そういう空気を教室の中にも作りたかったのかもしれないですね。

「弟に“大丈夫なんだ”と心から思ってもらえるような、そんな曲を作りたかったんです」

━2025年6月にリリースした“696936”では、音楽に救われた瞬間を歌っていますよね。Baby Cantaさんにとって、音楽はどのような存在なんでしょうか?

Baby Canta:僕は勉強が嫌いだったので、授業を受けながら「これ、やる意味あるのかな?」とずっと疑問を抱いていて。だけど音楽はそういう葛藤を打ち破ってくれる。「ああ、今日も頑張ろう」という前向きな気持ちにさせてくれる。

Baby Canta:“696936”は、1950年代のロカビリーのノリを取り入れた曲で。昔のロックって、政治や社会問題に対するメッセージを歌っていたり、欲望や感情をぶちまけていたり、もうパッションの塊でしかない(笑)。音もギャーンと歪んでいて、音楽の中で一番ハジけていると思うんですよね。

Baby Canta:僕はそういうロックを聴いてモチベーションを上げることが多かったので、その感覚を“696936”という曲にしました。ロックを聴いて「今日も頑張ろう」と思ったり、オシャレな曲を聴きながら街中を歩いて「俺、今日この街で一番オシャレなんじゃない?」と思ったり、そういう感覚をみなさんにも体感してもらいたいから、音楽を作っているところもありますね。

━つまり音楽は、自分の感情に寄り添ってくれたり、相談相手になってくれる存在であると。

Baby Canta:そうですね。例えば、“Brother”は弟に向けて書いた曲なんですよ。弟は大変な目に遭っちゃったんですけど、そういう時に彼は強がるんです。「全然大丈夫だよ」というふうに。僕はそこに対して、本当は「強がらなくてもいいんだよ」って言ってあげたいけど、面と向かっては言えないから全部歌詞に込めて。弟に「大丈夫なんだ」と心から思ってもらえるような、そんな曲を作りたかったんです。

「ガキ感」のある自分に似合う音楽性に音楽塾で出会う

━高校卒業後に音楽塾ヴォイスに入学したんですよね。どんな目標を持って入学しましたか?

Baby Canta:目標は売れること。「天才だから余裕でしょ」と思ってたけど……入ってからすぐに叩きのめされました(笑)。でも、叩きのめされて良かったです。

Baby Canta:僕はそれまで邦楽をよく聴いていたんですけど、ヴォイスは洋楽をベースに教える学校で、「邦楽禁止令」みたいなものを出されたんですよ。最初は洋楽を聴くことに慣れていなかった自分も、だんだん慣れてきて。いろいろな音楽を知って、DTMでの作曲も学んで……というなかで、作る曲のバリエーションが格段に広がったんですよね。

━「今まで知らなかったけど、このニュアンスは僕に合ってるな」と感じた音楽ジャンルはありましたか?

Baby Canta:ファンクやニュージャックスウィング(※)は僕のキャラクターに合っているなと思いました。ちょっと跳ねたシャッフルのリズムが、僕の「ガキ感」、やんちゃさみたいなものと共通する。元々ウルフルズとかを聴いて育ったので、ソウルやファンクには馴染みがあったんですよ。プリンスがすごく好きになったのも、タイトな音楽を昔から聴いていたからだろうし。ヴォイスに入ってから、そういうことに気づいたんですよね。

※1980年代中盤にアメリカ合衆国で発生し、1980年代後半から1990年代前半にかけて流行したファンクやヒップホップ、ソウル、ゴスペルなどを融合させた音楽スタイル

━子どもの頃に聴いていた音楽と、今学んでいる音楽が実は繋がっていたという発見があったんですね。ところで、Baby Cantaさんの楽曲には、弱さや葛藤を歌ったものも多いですよね。たとえ背景にシリアスなものがあったとしても、楽曲自体は明るくしたいという気持ちがあるんでしょうか?

Baby Canta:“Brother”を作ったときも「弟が大変な時期だからバラードにしようかな?」と思ったんですよ。だけど「いや、僕の性格には合わないな」と思い直して。生きていると苦難とか葛藤がどうしてもあるけど、そんななかでも僕は楽しい曲を……聴いた人に楽しくなってもらえるような曲を作りたいんですよね。それは“ビビッてバビッてブー”や“The Weak”に関しても一緒です。

https://youtu.be/MuQysftXvFQ?si=uE3opxQF9xjk9BN7

━ご家族で歌う時間が楽しかったこと。クラスで誰も仲間はずれにならないようにしていたこと。みんなと一緒に温かい時間を過ごしたいという思いが音楽にも表れているんですね。

Baby Canta:本当にそうですね。「基本ピースでいたい」という思いが根底にあります。

「ストレートに伝わるもの」を目指した先の「ラブソング」

━新曲の“I Love You Baby”はまっすぐなラブソングですね。どのような思いで制作しましたか?

Baby Canta:僕の楽曲って結構ニッチなんですよ。“ビビってバビってブー”も“The Weak”も“SHYBOY”も、ポップスの要素もありつつもニッチな部分が多いなと感じていました。「よりストレートに沢山の人に伝わるものを」と考えていくなかで、至上の愛をまっすぐに歌いたいと思いました。

https://youtu.be/EA_-NtzoLaE?si=VPIa4QhEjTqn_k9W

Baby Canta:なので、“I Love You Baby”というタイトルも本当にまっすぐ。歌詞もマジのドストレートだし、だからこそそんな歌詞がしっかり伝わるように、発音に気をつけて歌いました。リズムもそんなに複雑じゃない。でも、今までのBaby Cantaのノリみたいなものも残しておきたくて、「どうしたらみんなが聴きやすくてカッコいい曲にできるだろう?」とこだわりながら制作しましたね。

━Baby Cantaさんにとって、挑戦の一曲だったということですね。

Baby Canta:そうですね。今までやったことのないチャレンジばかりでした。サウンド面でも、ハウスミュージックや60’sのロックサウンドなど、今までにない要素を入れてみたり。モダンでエレクトロなサウンドにしたかったけど、僕にはエレクトロ方面の知識が足りなかったので、今回、編曲でESME MORIさんに参加していただいたんですよ。編曲作業を隣で見させてもらったんですけど、すごい速さでカッコいい音を作り出していくから、とてつもないなと思って。めっちゃ勉強になりました。

Oasisの来日公演で目の当たりにしたお客さんの大合唱

━「より多くの人に届く楽曲を」という挑戦の先に、どんなビジョンを見据えていますか?

Baby Canta:「Baby Canta Music」というカルチャーを作っていきたいんですよね。マイケル・ジャクソン然り、尾崎豊然り、時代に名を刻んだ人たちはちゃんと自分の文化を作っているので。まだデビューしたばかりなのに、そこに並ぼうとするなんておこがましいけど、そういう存在を目指したいなと思っています。

━それこそ今日着ているのはOasisのライブのグッズですよね。Oasisもそういう存在のバンドかと思いますが、実際に東京ドームでのライブを観て、どう感じましたか?

Baby Canta:Oasisは20歳くらいの頃から聴くようになって。リアルタイムの世代ではないので実態がピンと来てないところがあったんですけど、東京ドームでライブを観て「本当にOasisって生きてるんだ……」っていう感動がすごく大きかったですし、世界的なレジェンドのアーティストのライブを観る機会がこれまでなかったので、言うまでもなく最高でした。

Baby Canta:ライブでは特にラストの“Champagne Supernova”でのお客さんの大合唱を見て涙腺が崩壊しそうになって、自分もこんな曲を歌えるアーティストになりたいと心の底から思いました!

━なるほど。ご自身のライブ活動の中で意識していること、また今後どんなライブを目指していきたいですか?

Baby Canta:お客さんみんなに楽しんでもらうために「自分が一番楽しむ」ということを意識していて、自分が楽しんだ結果そこにいる全員が「楽しい」という気持ちで一体となるようなライブを今後も目指していきたいです。

━家族と一緒に“オー・シャンゼリゼ”を合唱していた少年が、今度は自分の音楽でもっと大きな輪を作ろうとしていると。その夢に向かって、今はどんなふうに活動していますか?

Baby Canta:今回の曲でも新たな挑戦をしましたし、今はいろいろなことにチャレンジしているつもりです。何事もやってみなきゃ分からないので。一曲一曲に魂を込めて、どんどん新しい挑戦をして、その先で何か答えが見つかればいいなと思ってます。

“I LOVE YOU BABY”

2025.11.05 digital release
2025年11月5日(水)リリース
https://BabyCanta.lnk.to/ILOVEYOUBABY

NiEW presents 『exPoP!!!!! vol.178』

2025年11月28日(金)
会場:Spotify O-nest
時間:OPEN 18:30 / START 19:00
料金:入場無料 (must buy 2Drinks)
配信:https://www.youtube.com/@NiEWJP

出演:出演:Rol3ert、烏兎-uto-、BabyCanta、Johnnivan
■チケット予約フォーム
※ご予約の無い方は入場できない場合がございます
https://expop.jp/tickets/178

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