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ロンドンの音大出身の新星。ネクター・ウッドが語る、音楽は言葉よりフィーリング

2025.10.21

#MUSIC

ディアンジェロらから受け継ぐもの。音楽大学とストリートで磨き、研究したソウルの感覚

─ご両親が聴いていたのはどんな音楽でしたか?

ネクター:ディアンジェロ、エリカ・バドゥ、それからローリン・ヒルとか、たくさんあります。歌はもちろん、アレンジが素晴らしいなと思う。ギターを弾き始めたとき、彼らの音楽のアレンジの不思議さに中毒みたいに惹かれて夢中で聴いてました。

ローリン・ヒル『The Miseducation of Lauryn Hill』(1998年)収録曲

ネクター:彼らは古いソウルミュージックの要素を取り入れながら、アレンジはものすごく現代的で。「どうすればこんなことができるんだろう? 彼らみたいに曲を書く方法を学びたい!」と思って、ディアンジェロのディスコグラフィーを徹底的に聴き込んだりしました。

─ソウルミュージックが自分の原点であると気づいたわけですね。ディアンジェロは日本でも人気ですけど、どこが好きですか?

ネクター:ソウルミュージックはジャズやR&Bとも近い雰囲気があるけど、本質的には「気持ちをよくしてくれるもの」だと思う。1970年代のオールドスクールなソウルは特にそうかな。

でも、ディアンジェロはそれだけではないんですよね。オールドスクールなソウルは、人の喜怒哀楽、ベーシックな感情を表現しているものが多いけど、ディアンジェロはより多面的。ハッピーだとか、悲しいとかだけじゃない、さらに複雑な感情を歌にしているのが好きなんです。『Brown Sugar』(1995年)や『Voodoo』(2000年)を聴いて、アレンジと作曲の研究しました。

ディアンジェロ『Voodoo』録曲
ネクター・ウッド『Good Vibrations』(2023年)を聴く

─あなたは音楽学校に在学中、オープンマイクやジャムセッションのできる店で腕を磨いていたそうですね。

ネクター:そうです。見知らぬ人の前で歌うことは、いい実験になるんじゃないかと思って。18歳で実家を出て、ギターもソングライティングもまだまだ勉強中のころでした。

ミルトン・キーンズやその周辺にあるお店は、お客さんも温かくて。流行ってる音楽のスタイルとは、別のものをやってもOKって感じ。「流行りじゃないけど、それも面白いね」って、どんな音楽でも寛容に受け入れてくれるんです。

でもロンドンのようにもっと都市部になると、また事情が違っていて。よりプロフェッショナルで真剣なミュージシャンも多いし、お客さんの目も肥えてるから。

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