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HALLEYが真摯に語る哲学「一人ひとりを愛するために生きている」

2024.3.18

HALLEY『From Dusk Till Dawn』

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海外のミュージシャンが、ハウススタジオでレコーディングしている環境に近いことを俺たちもやりたかった。(高橋)

―「音楽として素晴らしい」の中には、シンプルに「音」がとてもいいという側面があるんですけど、制作はどのように進めていきましたか。市川豪人さんがエンジニアとしても編曲者としてもクレジットされています。同世代の方ですよね?

西山:実はHALLEYと出会った同じ日に彼と出会っているんですよね。

登山:デモ音源はLogic Proで作っているんですけど、最終のマスターはAbletonに起こしているんですよ。その作業をやる過程で、「もうちょっとこうした方がいいかもね」っていう意見が豪人からあるし、メンバーみたいな感じでアイデアを出してくれるので、アレンジにも名前が入ってます。

清水:HALLEYの6人目みたいな感じです。そもそもドラマーで、映秀。くんの後ろで叩いていたりもして。ドラムもうまいし、トラックメイクもやっているし。今回もドラムテックからレコーディング、ミックス、マスタリングまでやってくれました。彼は惜しみなく知識を共有してくれるんですよね。「どうやってこの音を作りましたか?」と聞かれると、豪人と彼の家の存在でしかない(笑)。

清水直人(Dr)

西山:クレジットに「STUDIO HALLEY」と載っているんですけど、あれ実は豪人の家です。みんなでそこに行って、ドラム以外の音を夜な夜なずっと録って。

登山:俺、6連泊くらいしました(笑)。

てひょん:ほぼ住んでましたね(笑)。

高橋:海外のミュージシャンが、ハウススタジオでレコーディングしている環境に近いことを俺たちもやりたかったし。

西山:演奏する側とエンジニアさんがめっちゃ近くて、コミュニケーションがすぐ取れる状況でやっていたことはけっこう大きいかもしれないです。今までリリースされた曲たちも、アルバムのタイミングでミックスを全部やり直していて変わっています。

―今の話から、特に手応えのある曲というと?

清水:“Lemonade”かな。

登山:俺も“Lemonade”を考えてた。

西山:僕は“From Dusk Till Dawn”だった。

―先に“Lemonade”について聞くと、みなさんとしてはどのあたりに手応えを感じていますか。

清水:そもそもレコーディング段階で、僕らの中で「この曲かっこよくね?」って何回か盛り上がった曲でもあって。ドラムのサウンドメイクも、ピアノやギターの音作りも、ミックスもマスタリングも、この曲で完成してきたというか。これを作ってアルバム全体の視界が開けた瞬間があったよね。“Lemonade”を完成させてから、必然的に“Comfy”、“From Dusk Till Dawn”とかも、「このプラグインで、こうミックスしていけば、いい温度になりそうだ」というのが見えました。俺の感覚では、マスタリングを終えて聴いた時にみんなで「これはやばくね?」みたいになった記憶がある。

全員:やばかったよね。

清水:ボーカルももちろん、ギター、ベース、鍵盤、ドラム、全部の演奏がかっこいいから。ロバート・グラスパーの『Black Radio III』とかR+R=NOWを参照して、敬愛するアーティストたちに対して「戦い」みたいなイメージがあった中で、“Lemonade”は特にコード進行とかも、そういうところを意識しながら作った曲でした。1日中『Black Radio III』と聴き比べて、ドラムのキック、スネア、ハイハットの3本勝負で「どれくらい勝ってるか」「キック、スネア勝ち。ハイハット負け」みたいなことをやってました(笑)。

てひょん:キュー・ミリオンというミックスエンジニアがいて、俺たちが参照してるほとんどの盤をその人がミックスしているんですね。だから結局、キュー・ミリオンとずっとタイマンを張ってたんだと思って(笑)。その人の音像の何がすごいって、全部粒立っているんですよ。“Lemonade”は「それぞれ5人が1本勝負」みたいな曲なんですけど、その中でもそれぞれが出るべきところはちゃんと全部聴こえるように調節できました。

清水:それぞれがかっこいいことをしてるから、かっこよさをちゃんと聴かせたいというところでめちゃくちゃ苦戦したよね。

てひょん:“Lemonade”、ベーシスト的にはどうでしたか?

高橋:きつかったですねえ。トラウマになるレベルで難しかった(笑)。一番苦戦しましたね。自分のやりたいことも入れつつ、“Lemonade”のフィールをどう混ぜていくかが難しくて。フィールはそれこそビート系のジャズに近いものがあって。でも頑張って詰め込んで帳尻合わせました。

清水:100%を目指そうとすると、ロバート・グラスパー、テラス・マーティンとか、まだまだこれから挑み続けなきゃいけない人たちが見えてきちゃうから。自分たちだったらどう言語化するんだろうというところに焦点を当てながら、自分たちのよさが見えるように、というふうに擦り合わせていった感じだよね。

てひょん:“Lemonade”を録りながらそれぞれの伸びしろも見えたし、でも今までできたものの中で一番納得のいくものでもあるし。課題と成果、両方が見えたから強い思い入れがありますね。

―“From Dusk Till Dawn”にはどういった手応えを感じているのでしょう。

てひょん:僕の感覚では、“Lemonade”はプレイヤーシップが前面に出ているけど、“From Dusk Till Dawn”はアレンジメントとか曲の構成で魅せた曲ですね。

西山:“Lemonade”は挑戦だったけど、“From Dusk Till Dawn”は「好きなものを全部詰め込んだ」みたいな曲。“From Dusk Till Dawn”は僕の好きなちょっと古いエッセンスとか、挑戦とは反対で自分の好きなもの、趣味、こだわりみたいなものを詰め込んだ感じがします。

清水:だって鍵盤は、ローズのサウンド、YAMAHA CPのサウンド、ハモンドオルガンのサウンド、アップライトも入って……詰め込みまくり(笑)。

てひょん:最後、大合唱の部分があるんですけど、あれも部屋で録って。でも男臭すぎて(笑)。裏声で録ったりしたんですけど、どうやったら女性っぽく出せるんだろうって。それもいい思い出だし、いい曲に仕上がったと思いますね。

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