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坂部三樹郎が語る、フットウェアブランド・groundsの強靱なアイデンティティ

2023.9.19

#FASHION

「関係性」から生まれるアイデンティティ

─具体的に初期モデルはどういったコンセプトで、どのような形だったのでしょう?

坂部:groundsのコンセプトは「人間と地球(重力)の関係性に変化を与える」ことです。そのコンセプトを体現する、最も重要なパーツに当たるアウトソール(靴底の部分)には、それぞれ名前がついていて、一番古いのは「INTERSTELLAR」と「JEWELRY」です。クリアな色と高さのある形状は後出のほかのデザインのアウトソールにも踏襲されていて、今でも変わらないコアの部分です。

―どうしてそのような特徴にこだわったのでしょう?

坂部:人間と地球(重力)の関係性に変化を与えることを考えた際、まず頭に浮かんだのは「浮遊感」があることです。そのためにはいつも地面に接している足を地面から離すために、アウトソールに厚みを持たせました。そしてそれが重たくならないように、クリアな素材で表現する、というふうにつながっていきました。 

─実際に靴を作る上で、苦労した点はありましたか?

坂部:立ち上げ時には、製造工場探しが難航しましたね。僕は服づくりを行っていましたが、靴づくりの工程は全く知りませんでした。工場を探し始めてから知ったのですが、特にスニーカーは特殊な分野で、NIKEやadidasなどの大手スポーツメーカーのスニーカー製造を請け負う工場は、技術を漏らさないように取引先にルールがあったりと、なかなかお願いできる工場がなくて。いろいろと探して、ようやく見つけたのが、現在も提携しているインドネシアの工場です。

ーgroundsのアイテムを制作する上で大切にしていることはありますか? 

坂部:groundsのデザインは基本的にニュートラルを意識していて、チームで企画・運営をしています。シーズンごとに出すアイテムは僕がしっかり見ていますが、毎週発表している新作はチームが主体となって動き、細かく口を出すことはほとんどありません。

ーチームでデザインをする際に、どのような点に気をつけていますか。

坂部:世界観の共有ですね。デザインの基点となるムードや価値観を共有できる環境があれば、チーム内でプロダクトを1から100に展開することは可能です。また、全体の空気がいろんな方向に向くよう、バランスよくいろいろな毛色のデザイナーをチームに入れておくと、自然と面白いものができてくるんです。

―制作の現場でも、関係性を大切にされているんですね。

坂部:そうですね。それでいうと見せ方に関しても、groundsでは靴を単体として見せるのではなく、色のグラデーションや並べたときの凹凸など、集合体の中の関係性を大切にしています。お客さんにはその中から好きなものを選んでほしいです。

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