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ソロ活動のスタートを決意した、Fred Again..との初作 ‘Loveher’ the turning point to embark her solo career
―最初のソロシングル”Lifetime”から”Lights Out”、”Strong”、”Enjoy Your Life”まで、先行した全てのシングルのテーマが明確にパーティーライフを歌っています。どの曲も僕自身がパーティーライフの中で受け取った大切なメッセージを思い出させてくれて、心から共感しました。
アルバムも素晴らしい内容でした。まず、多くの楽曲を共同プロデュースしているFred Again..との出会いを教えてもらえますか?
ROMY:彼との出会いは、The xxの『I See You』のツアー(2018年)が終わった頃。私は他のアーティストに提供する曲を作るためにクリエイティブなプロデューサーを必要としていて、彼に連絡をしたんです。彼が『Actual Life』をリリースする前のことですね。
その時はまだ自分のソロ活動を始める予定ではなかったんですけど、彼とすぐに意気投合して友達になって、スタジオで作業を始めて、最初にできたのがアルバム1曲目に収録した”Loveher”でした。この曲ができた時に、これは自分のソロ作品として出すべきだと思ったんです。
―初めて”Loveher”を聴いた時、この曲はトレイシー・ソーンが歌ったMassive Attackの”Protection”と同じことを歌っていると感じました。僕はカフェ・デル・マーのサンセットでこの曲を聴いた瞬間を思い出しました。
ROMY:ありがとう、Massive Attackもトレイシー・ソーンも私のヒーローだから、そんなふうに言ってもらえるのはとても嬉しい。私は彼らの音楽を聴いて育ってきたから。もちろん彼女と同じように歌おうとはしていないですけど、トレイシーのやさしい歌声は特別ですよね。カフェ・デル・マーの”Protection”は素敵でしょうね。そう言ってもらえるのは本当に嬉しい。

―”Loveher”は、とても大事なことに気がついた瞬間を歌っていると感じました。それと同時に、人を愛することの儚さや悲しさも感じさせる。ここまで正直に自分を表現することは難しくなかったですか?
ROMY:はい(笑)、とても大変でした。この曲は誰かと恋に落ちた瞬間のことを表現していて、その瞬間をいかに掴むか、一度自分自身の経験は忘れて想像しながら作ることにしたので、とっても難しいチャレンジで。完成して妻に聴かせたら、とても気に入ってくれたから嬉しかったし、安心もして。大事な瞬間を自然に表現できたし、この曲がこれから多くの人に聴かれるのが楽しみです。
―Fred Again..も、1990年代のクラブシーンのディーヴァであるビリー・レイ・マーティンの”Your Loving Arms”を”Billie”というタイトルでカバーをしていますね。あなたと彼、どちらも1990年代のダンスミュージックにフォーカスしている共通の理由はあるのでしょうか?
ROMY:私も”Billie”は大好き! もちろんオリジナルも。
ROMY:フレッドはソングライターであると同時にプロデューサーでもあるから、歌の力と同じくらいダンスミュージックの力を理解しているし、彼の音楽センスからもそれを感じられますよね。フレッドと曲を書き始めた時にいろんな音楽をリファレンスにしたんですけど、その中で一番フレッシュに響いたのが2000年前後のダンスポップや1990年代後半のトランスでした。みんなで歌ってダンスする曲。私たちはそういったエモーショナルなダンスミュージックへの強い愛情を共有しているんですよ。でも、どうしてそういった音楽を愛しているのか、その理由を言葉で説明するのはとても難しくて。

―今年のFred Again..の『グラストンベリー』でのステージをラジオで聴きました。とても盛り上がっていましたね。彼のパーティーはどんな雰囲気ですか?
ROMY:フレッドのステージはとにかくハイエナジーでエモーショナル、でもジェントルな瞬間もあってその対比が最高。彼はとてもやさしい人だから、そういう部分もオーディエンスに伝わっていると思います。
―オーディエンスは若い人が多いんですか?
ROMY:そんなこともなくて、パーティーにもよるけどいろんな年代の人が楽しんでますよ。
―確かに、イギリスのパーティーって世代の幅が広いなという印象があります。10代から60代まで音楽を楽しんでいますよね。今もそうですか?
ROMY:ええ、もちろん! 私がクラブやパーティーを好きな理由の一つでもあります。もちろんフェスティバルもそうだけど、イギリスではいろんなタイプのパーティーがあって、みんな世代や性別にこだわらないで楽しんでいる。クラブが様々な人たち、とくにLGBTQの人々にとって自分自身に戻れる場所であり、仲間たちとの愛の力を確認できる場所になっているんですよ。クラブの力は本当に特別だと思います。
