グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
7月3日は本と漫画をこよなく愛す、サラリーマン漫画家の大石トロンボさんが登場。人生を変えたブックオフとの出会いやサラリーマン漫画家の生活についてお聞きしました。
INDEX
ブックオフ愛好家のブックオフとの出会い
Celeina(MC):まずはプロフィールをご紹介させていただきます。本と漫画をこよなく愛すサラリーマン漫画家として、本にまつわる漫画をTwitterやnoteで発信中です。今年5月9日にはSNSで発表していた作品をまとめた漫画『新古書ファイター真吾』を発売。そしてブックオフを始めとする新古書店の愛好家でございます。
タカノ(MC):大石さん、ブックオフ愛好家っていうキャッチコピーで合ってますか?
大石:はい。Twitterではそうやって名乗ってます。
Celeina:この新古書店っていうのは、古本屋とは別なんですか?
大石:はい。ブックオフが1990年代初頭にできまして、それまでは古本屋さんしかなかったんですけど。新しい出版されたばかりの本がすぐに綺麗な状態で並ぶとか、そういう新しい古本屋さんを新古書店っていう風に呼んでいて。
タカノ:「新しい」と「古い」が同居している字面が面白いですよね。
Celeina:その新古書店ブックオフについていろいろと伺っていきたいんですけど。ブックオフ愛好家として新古書店でお得な本を買うことが堪らないと。
大石:そうですね。当然書店でも読みたい本を買ったりするんですが、ブックオフの110円とか220円とかの均一棚でちょっと気になってたけど買ってなかったなっていう本を見つけたりすると、めちゃくちゃ興奮して。その棚になくても数ヶ月後に110円台の棚に落ちてきたりするので、数ヶ月間寝かせて見つけたときの興奮たるや。
Celeina:なるほど! だから本を読むこと以上にハンターとして捕獲した瞬間にドーパミンが出る。
大石:数ヶ月寝かしているとやっぱり買われちゃったりしてるんですよね。それはそれでスリルを楽しむというか、仕方ないなって。
タカノ:ギャンブルとかスポーツみたいな感覚ですね。
大石:そうですね。
タカノ:コレクターとはまたちょっと違うんですね。
大石:違いますね。やっぱりブックオフでの一喜一憂を楽しむという。
タカノ:15歳からブックオフに通われているんですね。
大石:そうですね。中学生ぐらいからもう30年間ぐらいずっとライフスタイル変わらずやってきてますね。
タカノ:生活の一部になってますね。ブックオフに入って最初に見る棚はどこですか? ルーティンみたいなものはあるんですか?
大石:基本的には漫画、文庫から雑誌まで全部見ますね。
タカノ:前回来たときにこれはあったけど、これは無かったみたいな変化を見て楽しむっていうことですね。
新古書店を舞台にしたバトル漫画
Celeina:そんなブックオフファイターである大石さんは漫画『新古書ファイター真吾』を出版されているんですよね。こちらはどんな漫画なんでしょうか?
大石:古本屋でのあるあるを基に、新古書店で繰り広げられるバトルを描いたバトル漫画です。
タカノ:先ほど大石さんが話した内容が、少年漫画のバトルものに落とし込まれていて。めちゃくちゃ面白くてブックオフに行きたくなりました(笑)。例えば「せどり」の業者との戦いとか。
大石:そうですね。「せどり」との無言の戦いとか。基本的にはこの本を買うべきか買わないべきかっていう自分との戦いなんですけど。自分はこういう買い方をしているけど、お店に対して正解なのか不正解なのかみたいな葛藤もひっくるめてのバトルですね。
タカノ:今までこんな切り口の漫画は無かったですよ。大石さんならではっていう感じですよね。
Celeina:この漫画を描かれたきっかけは何でしたか?
大石:元々若い頃から漫画家志望だったんですけど、一旦夢を諦めたんです。ブックオフばっかり行っていて、ある日「何やってんだろう。アホだな」って冷静になるときがあって。これを漫画にすれば面白いんじゃないかなと思ってSNSで発表を始めて、最終的には出版に繋がりました。
Celeina:観点が面白いですね。
タカノ:大石さんご自身の経験が入り込んでいるんですよね。
大石:そうですね。
タカノ:それではここで、大石さんにこの時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでいただきましたが、どんな曲でしょうか?
大石:サカナクションの“新宝島” です。
タカノ:選曲理由は?
大石:この曲は『バクマン。』という漫画がテーマの映画の主題歌で。あと『新古書ファイター真吾』は宝探しとか宝が一つのキーワードになると思いまして、この曲が合ってるかなと思いました。
ブックオフで過ごす時間が心のオアシス
タカノ:大石さんは現在会社員をされながら漫画を描かれてるということですが、今もブックオフには通われてるんですよね?
大石:はい。週1とかそれ以上行くときもありますね。クーポンが配信される日は必ず行きますね。
Celeina:一回行くとどのくらい滞在しちゃいますか?
大石:取れる時間によるんですけど、1店舗1時間が基本ですね。
Celeina:1店舗1時間でハシゴするんですか?
大石:もちろん(笑)。1ヶ月に1回、各店舗で使える300円引きクーポンが配信されているんですよ。その日ははしごですね。
Celeina:朝から晩まで?
大石:仕事がある日は仕事終わりに。休日だったら朝から晩までですね。家族もいるので許可を得てから……(笑)。
タカノ:仕事とご家族をおいて、大石さんの人生を占めてる大きなものっていうのが。
大石:ブックオフですね。
タカノ:ブックオフで過ごす時間っていうのは、大石さんにとってどんな時間ですか?
大石:心のオアシス、癒しですね。金曜の夜はお酒よりもまずブックオフに寄る時間が最高の幸せですね。
タカノ:ブックオフに対するイメージがどんどん変わっていきますね。
Celeina:今すぐ行きたくなっちゃいますよね。
タカノ:生放送終わったらすぐに最寄りのブックオフを探しちゃいますね。
Celeina:大石さんはサラリーマン漫画家としてご活躍されていますけど、今後はどのような作品を作られるんでしょうか?
大石:公言しているんですが、本や古本についての漫画だけを基本的に描く漫画家として今後もやっていけたらと思っています。そういうくくりでやってる人ってなかなかいないから差別化できるのかなと。仕事をしながらなので、細々とですけども本にまつわるテーマの作品を発表していきたいなと思ってます。
Celeina:「FIST BUMP」グータッチで繋ぐ友達の輪ということでお友達をご紹介してもらっているんですが、大石さんがご紹介してくださるのはどんな方でしょうか?
大石:ときわ書房志津ステーションビル店店長の日野剛広さんです。
Celeina:本屋さんの店長さん?
大石:近所にある書店の店長さんなんですけど。作家や編集者だったり書店員さんにも慕われていて。書評を書いたり、あと最近ご自身の本を出されたりと、精力的に活動されてる方ですね。
Celeina:一言で表すとどんな方でしょうか?
大石:「かっこつけないところがかっこいい素敵な本屋の親父」です。
タカノ:いいですね! 明日が楽しみです。明日はときわ書房志津ステーションビル店の店長・日野剛広さんをお迎えします。
Celeina:「FIST BUMP」今日は本と漫画をこよなく愛す、サラリーマン漫画家の大石トロンボさんでした。ありがとうございました。
大石:ありがとうございました。