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議論や緊張感もポップミュージックの宿命である
伏見:そうそう。仮にPerfumeに対して「人形浄瑠璃のよう」と言っていたら、炎上しなかったかもしれないですよね。「そうですけど何か?」みたいな感じで終わっていた気がします。
清家:そういう風に作ってますよ、っていう。「Perfumeはアイドルかどうか論争」もありましたよね。Perfumeを好きな人が「Perfumeはアイドルじゃない」と言う、みたいな。むしろアイドルとは若干緊張感があったんじゃないですかね?
つやちゃん:アイドルって基本的に「物語をどう作っていくか」というゲームだと自分は思っているんですけど、Perfumeはそうではないですよね。サクセスストーリーみたいなものはもちろんあったんでしょうけど、そこに主軸がないというか。あまり好きじゃない言葉ですけど、「楽曲派アイドル」的なものをJ-POPのフィールドで一番最初に打ち立てた存在なんじゃないかと思います。アイドルっぽい枠組みなんだけど、決定的にアイドルとは違う何かがある。いま、アーティスト性とアイドル性が溶け合ってミックスされているようなアイドルが増えていると思うんですけど、その源流を遡るとPerfumeに辿り着くのかもしれません。振り返ると、間接的なものを含めて、相当影響力があったんだろうなと思いますね。
—そろそろまとめに入りたいと思います。ジャンルごとにどこに真正性があるかは違っていて、ロックやシンガーソングライダーにとって大事な要素が他のジャンルでも必要とは限らない、というお話になりましたが、最後に、ベビメタファンのみなさんと湯川さん・近田さん的な考え方のみなさんが、お互いに理解して手を取り合っていくにはどうすればいいでしょうか?
つやちゃん:自分は手を取り合わなくていいと思っています。そこに緊張感が漂っているということは、むしろ必要なことで、ああいった議論が起こることこそが大事だと思っていますね。
清家:そうですね、自作自演信仰のある人に、一度ベビメタのライブを見てもらうのが一番手っ取り早いかなと思います。ライブでいかにメンバーに主体性があるかを確認してもらえればいいかな、と。
伏見:ポップミュージックって融通無碍なジャンルなので、少しずつオーセンティシティを踏み躙ることが宿命でもあると思っています。オーセンティシティが無いことがオーセンティシティ、みたいなところもある。なので、何と言うんですかね……喧嘩をうまくやろうぜ、ってことですね。喧嘩するのは仕方ないので、喧嘩しながら一緒にやっていきましょう!
—みなさん本日はありがとうございました!