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強いメッセージは逆効果にも? 対話の重要性と難しさ
島岡:そうですね。私は政治のスペクトラムでいうとリベラルにカテゴライズされる意見・立ち位置だと思うんですけど、客観的に考えて思ったのが、みんなが自分(向け)の言葉を欲しがっていて、やっぱり扇動的というか、強くてわかりやすくて注意を引くような発言を支持したり、それに共鳴する。差別的なことを掲げる政党が支持を伸ばしているのもそうですし、それに(反対する声に対しても)「よくぞ言ってくれた」みたいなふうに思う心理があるのかなって。
島岡:新宿で行われたプロテストライブを配信で見ていたんですけど、なんて言うんですかね。やっぱり、対話が大事だよねっていう結論に至った部分が大きいです。コミュニケーションって、ふつうは階段でいえば1段、2段、3段と上っていくもので、私からすると政治って10段目ぐらいなんですよ。それがソーシャルメディアだと、1段目から9段目をぶっ飛ばして突然そのベクトルで話すから、ネットで日々論争が起きてるんだなと思っていて。「日本でももっと政治の話を気軽にみんなしていこう」というのは、1年前は自分もその通りだと思っていたんですけど、今はもっと自分の住んでいる1km、5km範囲内にどういう人が住んでるのかとか、自分の手の届く範囲の人たちのことを理解していきたいなって思います。というのを、このいろんなリリースを受けて思いましたね。
風間:めっちゃわかります。
島岡:友達にも違う政治的な考え方の人がいるんですけど、優しい人だとわかっていても、その発言が差別的だったり、特定の国や人種の方を揶揄したり馬鹿にしたりする言葉を目の前でされてしまうと、(人と発言は)切り離したいと思っても、けっこうつらいじゃないですか。それに私が(友人に対して批判的な)考えを言うのって、それも一種の暴力……まではいかないですけど、私の自我の押し付けにもなる。対話っていっても、すごく難しいですよね。こうやって悶々と考える時間が大事なのかなと思ったりとか、人とは1人でも多く会った方がいいなって思いました。