INDEX
芸能界を圧縮しているからこそ負荷が大きい
─こうしたオーディション番組は今後も続いていくと思われます。これから挑戦する人たちに対して、今振り返って、こういう心の準備をしておけば良かったとか、制作側にこういう視点があるとよかったということはありますか?
Luvto:そうですね。メンタルヘルスをケアできる人が現場にいた方がいいのかなとは思いました。最初の段階できちんと面談をして説明し、精神的に持たないと思う人は出ない方がいいと思いますし、参加者側の準備としては、そこで覚悟を決めることだと思います。その上で、現場に誰か参加者に寄り添ってくれる人がいると全然変わってくるのかなと思います。

手島:何のためにやっているのかわからなくなるっておっしゃっていましたけど、人間の不安は基本的には「わからない」ことに起因することが多いんです。どうなるかわからないから不安なんですよね。だからカウンセラーとかじゃなくてもいいんですけど、スタッフがそういう状態を救ってあげられるといいかなと思います。答えがすぐ出ないとしても、今の状況を整理してあげるだけで、道筋が見えてくることもある。そういうサポートがないと苦しくなるかもしれないですね。
Luvto:やっぱり、ゴールを見据えると言うよりは、次の課題曲をミスしないようにしようとか、もう目の前のことに必死になっちゃいますよね。課題はもう細かくいっぱいあるんで。
手島:オーディション番組というのは、デビューを目指すっていう仕組みの番組だけれども、芸能界をぎゅっと圧縮したような感じもあるんですよね。ミュージシャンで例えると、一部の最初から売れる方を除いて、普通は小さいライブハウスから始めて何年か経って、武道館とか東京ドームとかに向かって少しずつ段階を踏んで規模を大きくしていく。ファンとの関わりもそうです。そうやってだんだんと忙しくなって耐性がついてくるんだけど、オーディション番組の場合、参加した時点でいきなり全国の人に注目されるところからスタートするじゃないですか。「来週までにこれやって、あれやって」みたいなチャレンジも含めてぎゅっと圧縮してるから、多分見てる我々視聴者にとっては面白いんだけど、やっている人にかかる負荷っていうのはものすごく大きいだろうなと思うんですね。もちろん、だからこそ得られるものも大きいのかもしれませんが。
