メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

鈴木実貴子編:「人の期待」に応えるプレッシャーと欲望。疲れて潰れそうな時もある

2025.12.3

#MUSIC

先の見通しが立たない中で努力しようとするのは、とても不安

手島:職業として数字を出すために必要な行動はあるとは思うんですけど、アーティストにとってあくまでも優先順位は2番目、3番目のはずなんですね。その2番目、3番目のものを1番にしないような関係ができるといいですよね。

鈴木:私、一応商品として扱われているわけだし、利益を生まなければその会社に所属している意味もないだろうとか考えると、数字を出すのも大事な1番なのかなっていうのを感じちゃう……。

手島:もし数字の話をするんだったら、具体的な目標が数字で最初に提示されているかどうかは確認した方がいいと思います。意外と具体的じゃないことが多いですよね。

鈴木:とにかく広がれって。広がったところで全然足りないっていう感じだから。

手島:例えば、来年武道館をやろうと決めたとして、今から何千人の観客を集めなければならないけれど、どこまでに何をどうすればよいかという逆算したプランを考えていかなければならないわけじゃないですか。「数字を」というのであれば、そこをちゃんと具体的にやった方がいいと思いますね。その辺が曖昧になっていると、何がうまくいって何がうまくいかなかったのかもわかりませんし、お互い不信感を生みやすくなります。明確な数字があれば、努力目標が立てやすいし、無理なものは無理ということが先にわかります。

心理学的にも、先の見通しが立たない中で努力しようとするのは、人間にとってとても不安なことなんですね。最初の話に戻るかもしれませんが、何のためにやるのかはっきりしないところで期待されても、どう努力すればよいかわからないですよね。あえてはっきりさせないというやり方をするのなら、みんながそのつもりでゆるく活動する、ということをテーマにしてもいいわけです。

鈴木:それも怖いけどね。うちの場合、サボりそうで(笑)。

─なんとなく結論めいた感じになりましたね。アーティストのメンタルヘルスにそれを取り巻く周りの世界も関係しているという。

鈴木:(音楽業界における)テンプレートの問題って感じがします。みんながちょっと他人任せな部分がある。

手島:そうですね。全員がちょっとずつ他人に責任を転嫁していて、ちゃんと考えていないという話ですね。スタッフとアーティストというのは、もちろんアーティストが言っていることが全部正しいかったらそもそもスタッフはいらないので、そこは多少ぶつかったり、お互い歩み寄ったりすることは絶対に必要だと思うんですけど、儲けたいのであればむしろテンプレートについて、ちゃんと考えたほうがいいってことだと思います。

鈴木実貴子さん感想

一番心に残ったのは「自分が本当に求めているのかどうか」というポイント。例えば友達が欲しいって思ったり、音楽辞めなきゃって思うのも、それが1年で数日間の話だから、もちろんそう思い込んでいる時は難しいですけれど、全体を見るようにする大きな視点を言葉として持っておくのは助けになるなと思いました。

鈴木実貴子ズ ワンマンライブ『危機一髪』

2025年12月13日(土)@ ダンスホール新世紀(鶯谷)
開場15:15 / 開演16:00
チケット:4300円(D別)
※U-29 3000円(入場時に年齢の確認出来る顔写真付き身分証明書の提示)
URL:https://eplus.jp/suzukimikiko/

鈴木実貴子ズ メジャー2ndアルバム『いばら』

2026年1月28日(水)リリース
CRCP-20619 / 価格:¥3,300(税込)
【収録曲】
全10曲収録予定 ※曲数変更の可能性あり

『いばら』リリース記念47都道府県路上ライブツアー『いばらのみち』

・12/1(月)〜12/4(木):徳島県・香川県・愛媛県・高知県
・12/21(日)〜12/25(木):滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、三重県
・2026/1/2(金)〜2026年1月6日(火)福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
※ライブ場所に関しては、ライブ当日に発表します。

連載もくじページへ戻る

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS