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「365日中どのくらい孤独な日があるかと数えてみる」(手島)
─創作をしていると周囲との間に溝ができる、孤独を感じるということがあるとお聞きしました。
鈴木:友達はできないですよね、やっぱり。ものを作る人って、そういうものなのかなと思いますけど、こもりがちっていうか。
手島:うん。ものを作る人は、そもそもこもれないと作れないですよね。
鈴木:だから……いいんですよね? いいと思います。でも……寂しいですけど、すごく。
手島:世の中一般に言われている「友達」という言葉に引っ張られすぎているということもありますね。人との関わりは生きていく上でとても大切なことですが、どういう人を友達だと思うかは人それぞれだということもありますし、どういうときにどういう人の存在が必要なのか、ということと、それが友達でなければならないのか、ということを考えてみると、そこは必ずしも一致しないかもしれません。そして、結局先ほどと同じ話ですけど、本当に困っているかどうかという話なんだと思います。
鈴木:確かに。本当には困っていないんだろうなと思います。友達が欲しいなとは思うけど。

手島:もちろん「困り感」を軽視するわけではないし、孤独はいろんなメンタルの問題の原因になり得ますから、孤独感が強すぎてしんどい、みたいな話になったら、やはり何か対策を考えたほうがいいんですが、あえて数字で出しますが、365日中どのくらい孤独な日があるかと数えてみると、孤独を感じるのは1年のうち30日くらいしかないとかね。もしそうだとすると、年の10分の1のことなんですよ。
例えば、世間体を気にして音楽をやめるというパターンって、結構多いんですよね。何歳までに〇〇しなきゃいけないとか。ただ、その世間体の圧みたいなものを感じるのは、年に1度親戚で集まった時とか、たまに親と話すその前後10日間とか。その時は「うわっ」と思ったりしますけど、その1年に数回しか起きないことで、その後何十年分の人生の選択を決めてしまうことが結構若い人にはあります。
鈴木:めっちゃそう。
手島:SNSで「100いいね!」をもらっても、1つひどいリプライがつくとそれが気になってしょうがないとか。よくよく考えるとそれってたいしたことじゃないかもしれない。
だから、孤独に限らず、たまに「ズーン」と心にくる衝撃というのは、もちろんそれを侮ることはよくないですが、全体で俯瞰して見直してみるのが良いと思います。

鈴木:確かに、友達欲しいって思うのも1ヶ月に1回くらいの話かも。友達というか、単に「人と喋りたい」くらいのことかもしれない。本当に自分が求めているかどうかっていうのはポイントですね。