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【アートスポットめぐりが好きな理由】
子どもに教えてもらったアートの楽しみ方。名画そのものよりも額縁に興味津々
―アートを楽しむ上で、特に大事にしていることは何ですか?
片桐:意味ばかりを追求せず、自由に感じることが大事ですね。「こう感じなきゃいけない」という縛りを持たずに、自分の直感で楽しむようにしています。例えば、アートも演劇も、作品を見ながら「これ、なんか自分の昔の経験に似てる気がする」と、ふと思い出す時があるんです。他の人の表現が自分の経験とリンクして、日常がまた花開くような……。そういう面白さが、アートの醍醐味なんじゃないかな。
―息子さんとも一緒にアートを楽しんでいると伺いましたが、どのような体験をされていますか?
片桐:最近、息子と一緒に美術館に行くことが増えました。以前、箱根のポーラ美術館にモネの絵を見に行った時、息子は絵ではなく額縁にばかり興味を向けていました。僕が「これは何を表現してるんだろう?」って考え込んでいる横で、息子は名画を前に「額縁かっこいい!」と(笑)。
―『ゴッホ展』で、作品よりも人の多さに目がいった幼少期の片桐さんと、どこか重なりますね(笑)。
片桐:息子はまだアートの意味なんて気にしないので、ただ目の前にあるものを見て感じるままに反応している。そんな風に自由に素直にアートを楽しんでいる姿を見ると、僕ももっと気軽に楽しもうと思えますね。「アートに正解はない」ということは、息子から改めて学ばせてもらった感覚なのかもしれません。子どもは大人が見逃しているようなところに目を向けるので、一緒に見ると新しい発見があって面白いですよ。
