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あの人と巡る、東京アートスポット

片桐仁は「わからない」を楽しむ 「アートにも人生にも正解はない」

2024.10.31

アートウィーク東京

#PR #ART

多摩美術大学在学中にコントグループのラーメンズを結成し、現在は俳優業の傍ら、粘土造形作家としても活躍する片桐仁。2016年から全国のイオンモールで開催した「片桐仁 不条理アート粘土作品展 『ギリ展』」は、4年間で18都市を巡り、約7万8000人を動員。ユーモアや親しみやすさと、細やかな技術が共存した作品が、多くの人を魅力してきました。

人生を通じてアートと関わり続け、アートの魅力をさまざまなフィールドに広げてきた片桐仁が、『アートウィーク東京(AWT)』の中で気になったのは「立体物やインスタレーション」が観られる展示。

中でもWAITINGROOMで開催されていた藤倉麻子『Sunlight Announcements / 日当たりの予告群』を実際に訪れ、「正解がないアート」の魅力に向き合ってきた片桐仁に、自身の人生観や、子どもに教えてもらったアートの楽しみ方などについて、話を聞きました。

【アートとの出会い】
幼少期に見た『ゴッホ展』が忘れられない。名画に人が群がる光景に衝撃を受ける

―片桐さんのアートとの出会いを教えてください。

片桐:初めての美術館は、小学6年生の頃、父に連れられて行った『ゴッホ展』でした。上野だったと思います。どんな作品だったかは正直あまり覚えていないのですが(笑)、初めての美術館で印象に残っているのは、大人たちが展示空間にギュウギュウ詰めになって必死に絵を見る光景でした。一枚の絵に100人くらいが群がっていて、とにかく「ゴッホってすごい!」「ゴッホになりたい!」と思ったことを覚えています。

僕は、今日展示を観た藤倉麻子さんと同じ埼玉の郊外で育ったんです。だから子どもの頃は、東京の美術館まで出かけることがとても特別な体験でした。父は建築の仕事をしていて土日も忙しい人でしたが、建築に加えて絵画も好きで。少し厳しいところがある人だったのですが、たまに休みが取れると上野の国立西洋美術館や竹橋の東京国立近代美術館まで連れ出してくれました。

片桐仁(かたぎり じん)
1973年生まれ。埼玉県出身。多摩美術大学卒業。俳優、造形作家。現在、テレビ・舞台を中心にドラマ・ラジオ等で活躍中。最近の出演作品には、日本テレビ『新空港占拠』、NHK BS『雲霧仁左衛門ファイナル』、舞台『ハロルドとモード』がある。1999年より俳優業の傍ら造形作家としても活動を開始。2015年にはイオンモール幕張新都心、2016年からは全国のイオンモールにて「片桐仁 不条理アート粘土作品展『ギリ展』」を開催。4年間で18都市を周り合計7万8000人を動員した。2019年は、初の海外個展『ギリ展台湾』を実施。2021年には、東京ドームシティーGallery AaMoで、「粘土道20周年記念 片桐仁創作大百科展」を開催。
藤倉麻子展『Sunlight Announcements / 日当たりの予告群』(WAITINGROOM)にて

―幼少期に、県外に出てアートに触れる経験があったのですね。

片桐:国立西洋美術館ではル・コルビュジエの建築やモネなどの西洋絵画を、東京国立近代美術館では前川國男の建築とさまざまな芸術作品を楽しめますし、特に東京は父にとって楽しい場所だったのだと思います。子どもの僕は、帰りがけにミュージアムショップでポスターやパンフレットを買ってもらうことも楽しみの一つでした。と言っても、字を読むことが大の苦手だったので、パンフレットを買ってもらったところで最初の「ごあいさつ」を読みきる前に眠くなっちゃってましたけどね(笑)。

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