第70回岸田國士戯曲賞(主催:白水社)の選考会が2月16日(月)に行われ、蓮見翔の『ロマンス』と、大石恵美の『よだれ観覧車』の2作が受賞作に決定した。
8人組ユニット「ダウ90000」を主宰し、作・演出を務める蓮見翔は、今回が3度目の候補入り。受賞作『ロマンス』に対し、選考委員のタニノクロウは「人生の中のロマンスから目を逸らせなくさせる。」「こんな魔法を待っていた。」とコメントしている。
同時受賞となった大石恵美は、2018年に「ダダルズ」を旗揚げし、2023年から作 / 演出 / 出演を大石が1人で兼ねる作品を発表している。初候補での選出となった『よだれ観覧車』について、選考委員の本谷有希子は「大石さんの戯曲は痛覚の記録だ。」「ひとりの人間の内面の奥行きがそのまま差し出される。」と評している。
今回の選考委員は、市原佐都子、上田誠、岡田利規、タニノクロウ、野田秀樹、本谷有希子、矢内原美邦の7名。授賞式は5月11日(月)に東京・神田神保町の日本出版クラブで開催される。
大石恵美『よだれ観覧車』
本谷有希子
大石さんの戯曲は痛覚の記録だ。「どこが、どれだけ、どう痛いか」が圧倒的な生としてぶちまけられ、ひとりの人間の内面の奥行きがそのまま差し出される。大石さんの唾。呼吸。なんかありとあらゆるきったないもの。そういう生きてしまっている身体の存在を、強烈に感じた。
蓮見翔『ロマンス』
タニノクロウ
私たちは無数のロマンスに満ちた世界を歩いている。
笑い笑われ、遊び遊ばれ、許し許される。
その往復の中にロマンスは潜んでいる。
本作は、それを見つけるための優しさを思い出させ、人生の中のロマンスから目を逸らせなくさせる。
こんな魔法を待っていた。