映画監督デヴィッド・リンチの死去が明らかとなった。公式Facebookで家族が報告した。78歳だった。
1946年1月20日にアメリカ・モンタナ州のミズーラで生まれたリンチは、現在もカルト映画の代名詞として語り継がれている『イレイザーヘッド』で1977年に長編監督デビュー。シュルレアリスムの要素を含んだホラー、推理、フィルムノワールなど、独自の世界観を持つ不穏な作風で知られており、『エレファント・マン』(1980年)や『マルホランド・ドライブ』(2001年)などを手掛けた。『ワイルド・アット・ハート』(1990年)では『カンヌ国際映画祭』の最高賞であるパルムドールを受賞。アカデミー賞には3度ノミネートされ、2019年にアカデミー名誉賞を贈られている。
1990年のテレビドラマ『ツイン・ピークス』では、違法薬物や性道徳の崩壊などの社会問題から、悪魔の憑依などの超常現象までを取り上げ、全米のみならず世界中で熱狂的なファンを生み出してエミー賞を獲得。2017年には『ツイン・ピークス』の25年後を描いた『ツイン・ピークス The Return』が放送された。
2024年8月には自身のSNSで、長年の喫煙により肺気腫を患っていることを告白しつつも、2年以上の禁煙もあり健康状態は良好で、引退するつもりはない(I will never retire)と宣言。死因は公表されていないが、11月には歩くには酸素吸入器が必要な状態であると報じられていた。
なお、デヴィッド・リンチが監督を務めた『ブルーベルベット』(1986年)の4Kリマスター版が、2月7日(金)から東京・新宿シネマカリテで公開となる。