映画『占領都市』(原題:Occupied City)の公開日が12月27日(金)に決定し、予告編と日本版ポスタービジュアル、場面写真10点が解禁された。
オランダの首都として栄えたヨーロッパ屈指の大都市アムステルダム。この街には、第二次世界大戦中の1940年5月から5年間、ナチス・ドイツの占領下におかれた恐怖の記憶がある。この間、人々は人権や言論の自由を奪われ、ユダヤ人を中心に多くの犠牲者が出た。強制収容所へ移送された人は10万7千人。統計では、その内の10万2千人が虐殺されたとされている。
「二度とこうした歴史を繰り返さないために」と映画化を構想したのは『それでも夜は明ける』で第86回アカデミー賞の作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した映画監督スティーヴ・マックイーン。製作はA24、マックイーン監督の妻であるビアンカ・スティグターが2019年に著した『Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945)』を原作とし、4時間11分の大作ドキュメンタリーとして完成させた。
アムステルダムを第2の故郷として暮らすマックイーン監督が目指したのは、単なる知識や情報としてではなく、場所をして語らしめ、当時の記憶を鮮烈に蘇らせるような映画。アーカイブ映像の使用やインタビューによる回想はあえて使わず、35mmフィルムで130ヶ所にも及ぶ「現場」を正確に捉えることで、計り知れぬ恐怖の日々を体感させる。これは、約80年前の過去と現在との距離を取り払う挑戦であり、マックイーンとA24にしか到達しえないスケール感と野心に満ちた記念碑的な映画に仕上がっている。
撮影監督は、「ドキュメンタリーの一般的な撮り方は自分に合わない」と話すマックイーン監督が一言「素晴らしい」と絶賛するレナート・ヒレッジ。音楽は同じくA24製作の『aftersun/アフターサン』でも劇伴を担当したオリバー・コーツが担当した。
なお同作は長尺作品のため、インターミッションを1回挟んで上映される予定。
『占領都市』

12月27日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町ほか全国ロードショー
監督:スティーヴ・マックイーン(『それでも夜は明ける』)
原作:ビアンカ・スティグター「Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945)」
製作総指揮:ダニエル・バトセク、ベン・コレン、オリー・マッデン、ヤリフ・ミルチャ、マイケル・シェイファー 製作:フロア・オンラスト、アンナ・スミス=テンサー 撮影:レナート・ヒレッジ 編集:ザンダー・ナイステン 録音:ヨス・テン・クロスター 整音:ヤン・シェルマー ナレーション:メラニー・ハイアムズ 音楽:オリバー・コーツ(『aftersun/アフターサン』)
2023年/イギリス、オランダ、アメリカ /英語(一部オランダ語)/251分/スタンダード/カラー/5.1ch/G
原題:OCCUPIED CITY 日本語字幕:松田千絵
提供:TBSテレビ 配給:トランスフォーマー、TBSテレビ
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