髙田賢三の個展が東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで7月6日(土)から 9月16日(月・祝)まで開催される。
髙田賢三は、兵庫県出身で「KENZO」の創設者として知られるファッションデザイナー。日本人のファッションデザイナーとしていち早くパリに進出し、2020年に新型コロナウイルスの合併症で亡くなるまでに斬新なアイデアで常識を打ち破るスタイルを次々と発表。1965年に単身で渡仏後、1970年にパリで自らのブランドを立ち上げ、木綿の新しい可能性を打ち出したことで「木綿の詩人」とも称され注目を集めた。以降も、「身体を衣服から解放させる」ことを意識し、直線裁ちの着物袖やダーツをなくしたゆとりある服を生み出すなど、独特の色使いや柄の組み合わせを用い、日本人としての感性を駆使したデザインでその存在感を世界中に発揮。1999年に「KENZO」ブランドから退いた後も、2004年のアテネ五輪で日本選手団が着用する制服をデザインするなど精力的に活動した。

没後初の大規模個展となる同展では、髙田のファッションの変遷を衣装展示でたどるとともに、幼少期から描いていた絵画やアイデアの源泉となった資料、衣装のデザイン画なども紹介。国内外のコレクションから厳選した「オールド・ケンゾー」も展示予定で、『装苑賞』を受賞した記念すべき作品をはじめ、「日本のきれ」を使った初期の作品、「ニット」「ツイード」「バルーン」といった素材や技法、「アンチクチュール」「ペザント・ルック」「ミリタリー・ルック」など、1970年代に髙田が発表したテーマにも注目する。




また、日本、中国、ルーマニア、ロシア、アフリカなど、髙田の代名詞的な世界各地の民族衣装に着想を得た1970~1980年代のフォークロア作品も紹介。髙田にとって集大成となった「KENZO」ブランドでの最後のショー『30ans』(トランタン)の映像フィルムをデジタル化したダイジェストも見ることができる。

チケットは、7月5日(金)までオンラインで前売り券が発売される。
髙田賢三 夢をかける

会期 2024年7月6日(土)― 9月16日(月・祝)*62日間
会場 東京オペラシティ アートギャラリー
開館時間 11:00 – 19:00(入場は18:30まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日(日・全館休館日)
主催 公益財団法人 東京オペラシティ文化財団、毎日新聞社、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
特別協賛 NTT 都市開発リート投資法人
協賛 セイビホールディングス、DNP 大日本印刷、大和ハウス工業
後援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、TBS グロウディア
特別協力 文化学園ファッションリソースセンター、KENZO PARIS
協力 日本航空
入場料 一般1600[1400]円/大・高生1000[800]円/中学生以下無料
前売券 一般1400円/大・高生800円
前売券販売期間 5月1日[水]―7月5日[金]
オンラインにて販売 https://www.e-tix.jp/takadakenzo/
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
同時開催「収蔵品展080 となりの不可思議」「project N 95 田口薫」の入場料を含みます。
*[ ]内は各種割引料金。
*障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
*割引の併用および入場料の払い戻しはできません。
髙田賢三 略歴

1939年、兵庫県姫路市生まれ。文化服装学院に入学し、1960年に若手デザイナーの登竜門「装苑賞」(第8回)を受賞。渡仏して5年後の1970年、パリに自らのブランドを立ち上げる。その自由で華やかなデザインで瞬く間に人気が広がり、世界を代表するトップデザイナーとして活躍した。1999年に「KENZO」ブランドから退いた後も、企業とのコラボレーションやオペラ衣装の制作、新たなブランドの立ち上げなど、精力的に活動した。2020年、81 歳で逝去。
1984年 フランス芸術文化勲章シュヴァリエ位
1985年 第3回毎日ファッション大賞
1998年 国家功労賞芸術文化勲章コマンドゥール位
1999年 紫綬褒章
2016年 レジオンドヌール勲章シュヴァリエ位 ほか受賞多数