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そして人生という名の旅は続く
古舘:今日、ファンの方から僕らにたくさんの質問が届いてるんですよね。いま、一緒に旅をするならどこに行きたいですか?
山口:おー、いいですね。俺、古くんと自転車の旅がしたいなあ。
古舘:いいっすね、僕も一郎さんとめちゃくちゃ旅したいです。前に一郎さんが「一緒にフィンランド行こうよ」って言ってくれたじゃないですか。僕、それがすごく楽しみで、いまもずっと覚えてるんですよ。一緒に旅に出ると、ふだん東京で会ってる関係性とは違う一面が見れるから、旅先だからこその顔を見てみたいです。それに、自転車旅になったら絶対に僕のほうが体力あるんで、「ついてこいよ!」って兄貴キャラになれる気がしてて(笑)。今回の旅を経てたくましくなったので、一郎さんが疲れてる時にフォローもできますし。
山口:確かに古くんがちょっと先輩になれるんじゃない? でもさ、いまこうやってみなさんの前で話してるから、ちょっとパフォーマンス入ってるというかプロレスっぽくなるけど、ふたりきりで話す時ってこんな感じにならないじゃん。だから、ふたりで旅に行ったらキャッキャキャッキャ言ってるだけだと思う(笑)。
俺さ、自転車の旅にずっと憧れてて。日本を飛行機でも電車でもなく自転車で移動しながら、ローカルな町を見て回るっていう。海外のローカルはちょっと怖かったり情報が必要だったりするけど、日本の観光地じゃないような町を見に行くって、いまの仕事にもすごく大事だと思うんだよね。それを古くんと一緒に見て、お互いの感想を話しながら回るの楽しそうだなって。お互い独身だし、目線も似てるし。同じ道を走って、同じ時間を共有して、見たことのない景色を一緒に見るっていうのが旅としては理想だなあ。

古舘:ほんとに行けますかね?
山口:これからの付き合いは一生だから、いつか機会はあるでしょう。タイミングが合えば、いつだって行けるよ。東京マラソン一緒に走るとかでもいいよ! 楽しいと思う。
古舘:それはちょっと……膝に爆弾を抱えてて……。
山口:そういうとこだよ(笑)。「ご飯行こうぜ」って言っても、「明日はちょっと……」とか。
古舘:左膝にほんとに爆弾があるんですよ。マラソン以外なら!
山口:古舘、ほんとは俺のこと好きじゃないんだろ。
古舘:いや、いくら言っても伝わらないんですよ! どうやったら伝わるのか、日々考えてるんですけど……この本の中にも書いてありますから(笑)。
山口:一蓮托生だからね(笑)。

古舘:一郎さん、もうお時間ということで、みなさんに一言いただけますか。
山口:本日は古舘の『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』刊行記念トークイベントに、お忙しい中お越しいただき本当にありがとうございました。ちょっと強めに古舘に話しかけるので、「古くんをいじめないで」とかDM来たりするんですけど(笑)、そういうわけじゃなくて。この歳になると、厳しいこと言ってくれる人いなくなるじゃないですか。だから僕があえて言う役割を勝手に担ってます。正直、この本でなにか変わるとは思ってなかったんですけど、古くんの人生に良い影響があるならいいなって思ってます。
この本を読んで、旅に行ってみようって思った人もいるだろうし、逆に私には無理かなって思った人もいると思います。でも、今日の話を聞いていただいてわかったように、古舘ってこういうやつなんで。自分の道をただひたすらに、黙々と歩いてきた人間です。だからみなさん、ちゃんと曇りなき眼で、彼がなにを言っているのか、どんな想いなのかを見極めてください。それができればできるほど、彼の深みにハマっておもしろく感じてくるはずです。これからも温かく見守っていただけたらと思います。本当にありがとうございました。
古舘:本日はお越しいただき、本当にありがとうございました。僕、人生で本を出せる日が来るとは思ってなかったですし、まさかそれが海外を旅した内容になるとも思ってませんでした。でもそれも全部、一郎さんのきっかけがあったから。一郎さんに背中を押されて、自分で旅に出て、言葉にして、その中でたくさんの発見や変化がありました。言葉足らずでうまく説明できないけど……その全部を詰め込んだこの本の発売イベントに、僕の兄貴である一郎さんが来てくれたことが本当に嬉しいです。
山口:ノーギャラですからね(笑)。
古舘:本当に申し訳ないです(笑)。一郎さんと会うと、どれだけ自分の中で整理できてたつもりでも、またリセットされるというか背筋が伸びるんです。まるで施術師みたいに、愛ある指圧でずれた股関節をメキメキ治してくれる感じで。今日もたくさん整えてもらったんで、またこれからもがんばっていきたいなと思います。この本、まだまだ発売中ですので、ぜひよろしくお願いします。そして一郎さん、改めてありがとうございました!