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音楽さえ鳴ってしまえば、ゲームはもう、こっちのもんなのだ。
そして最後にペガサス団。これは僕がやっている伴奏付きのセッション形式の紙芝居ユニットである。僕たちは音楽とダンスにまつわるオリジナルの紙芝居を2演目やった。終わったあと、いろんな人がほめてくれた。そん中で、詳細は書かないけれども、最近大変な喪失があって落ち込んでいたけれど、紙芝居を観て、すごく元気が出たと言ってくれた人がいた。

そのとき僕は、「礼なんざ言われる筋合いねえよ。こちらこそありがとう。そしておめでとう」と思った。喪失は喜ばなくてはいけない。喪失は祝福するべきだ。心が鍛わってタフになるし、新しい何かがきっとやってくるから。真の悲劇とは、悲しいことではなく、悲しくないことだ。傷つくことではなく、なぜ傷ついているか気づかないことだ。そして、喪失に必要なのは音楽だ。喪失と音楽が化学反応を起こしたときに傷は光り出し、瞬間はただ過ぎ行くものではなくなる。愛のありかを身をもって思い知ることになる。僕はこのことをソウルミュージックから教わった。僕の紙芝居とか文章はすべてそういう話しかしていない。けれど、それでもいつも忘れてしまう。だから何度もそれを思い出すために、紙芝居をやったり文章を書く。

僕が紙芝居をやったりとか文章を書いたりしているのは、つまり、見せられたことがあるから見せているというだけのことで、要するに、反射である。僕は太陽を見つけたのである。何かに感動したということは、人を感動させる力があるということだ。感動の反射が、いつだって俺たちを興奮させる。だから、ためらいもなく感動していこうぜ俺等。そして、おのおののやり方でそれを反射させていこうぜ。ドキドキしてドキドキさせて、うれしい気持ちを分かち合おうぜ。われわれは感動するために生きている。感動した瞬間に、もう勝ちなんだ。音楽さえ鳴ってしまえば、ゲームはもう、こっちのもんなのだ。ここまで約6,000字に渡り、よしなしごとをツラツラ綴ってきたワケだけれども、おそるべきことに結論はたったの4文字に集約される。結論はこうだ、音楽最強。



