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『高畑勲展』レポート アニメーションに捧げた生涯の軌跡を貴重資料で辿る

2025.7.28

#ART

『パンダコパンダ』『アルプスの少女ハイジ』『赤毛のアン』……おなじみの名作の誕生

会場風景 / 『アルプスの少女ハイジ』©ZUIYO  『アルプスの少女ハイジ』公式HP www.heidi.ne.jp

「ホルス後」に東映動画を離れた高畑は、1970年代になると『パンダコパンダ』『アルプスの少女ハイジ』『赤毛のアン』などの名作を次々と世に放つ。青空のようなブルーの一角は『アルプスの少女ハイジ』のコーナー。アニメ制作史上初の海外ロケを敢行したという同作の、豊かな自然を描いた美術に目を奪われる。さすが実際に目で見た景色は違うわ〜! と思ったら、美術監督の井岡雅宏はロケハン後に就任したため現地へは飛んでいなかったとのこと。むしろ行ってないのにこんな自然が描けるなんて、と驚きが新たになった。

会場風景 / 『アルプスの少女ハイジ』©ZUIYO  『アルプスの少女ハイジ』公式HP www.heidi.ne.jp

お馴染みのハイジ(ショートカット×黄色と赤の衣装)が誕生する前の、試行錯誤中のハイジの姿を見ることもできる。

会場風景より。『母をたずねて三千里』背景画 / 『母をたずねて三千里』©NIPPON ANIMATION CO., LTD.

展示はこの後も年代順に、作品タイトルごとの小セクションで構成されていく。個人的には『母をたずねて三千里』(1976年)の背景画にすっかり心を奪われてしまった。地中海の強い日差しに照らされたイタリア・ジェノヴァの街並みが美しい。この後の『セロ弾きのゴーシュ』(1982年)エリアでも背景画に感動して足を止めたら、同じ椋尾篁(むくお たかむら)による背景だった。恥ずかしながら認識できていなかった巨匠の存在をこうして知ることができるのも、展覧会に来たからこその喜びである。

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