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少年キッズボウイを取材。会社員のままメジャーデビューする奥にある強い意志

2025.5.23

少年キッズボウイ“キスをしようよ”

#PR #MUSIC

少年キッズボウイは「営み」を奏でるバンドである。幸福と痛みの中で抱きしめ合う恋人たちの姿を奏で、その拳に怒りと希望を握り締める少年少女たちのまなざしを奏でるバンドである。騒々しくチアフルな彼らの音楽は抗っている。何に?――冷笑に。ニヒリズムに。心ない嫌味に。理不尽な暴力に。人を人とも思わないものたちに。僕やあなたの視界を暗くする閉塞感や疲弊に。少年キッズボウイは、そういうものたちに徹底的に抗っているバンドなのである。

8人のメンバー全員が、音楽以外の仕事も持ちながら活動する少年キッズボウイ。自分自身の生を全力で謳歌しながら、そこから生まれる熱をみんなで分かち合おうとする彼らのパンキッシュでソウルフルなエネルギーは僕らを傍観者にさせない。僕ら一人ひとりが熱源であることを自覚させる。

既にライブハウスでは熱狂的かつ感動的な光景が生まれているが、彼らの音楽を必要としている人は実はもっとたくさんいるはずで、だから「出合ってほしい」――そんな思いを込めて、ここにメンバーの中からアキラ(Vo)、こーしくん(Vo / Comp)、山岸(Gt)の3人を迎えたインタビューをお送りする。働きながらバンドをやることについて、メジャーデビューについて、新曲“キスをしようよ”や、“僕らのラプソディー”や“君が生きる理由”といった稀代の名曲たちについて、たくさん語ってもらった。

少年キッズボウイ(しょうねんきっずぼうい)
2020年結成。東京を拠点にメンバー全員社会人として働きながら音楽活動をする、今どき二刀流バンド。全員が熱量の高いミュージックラバーでありながら、音楽だけでなくファッション・映画・お笑い・マンガなども大好物。さまざまなカルチャーやエンタメもシャッフルして、わんぱくに活動中!

メンバー全員社会人。仕事も趣味も楽しむがモットー

―少年キッズボウイはメンバー皆さんが別の仕事を持ちながらバンド活動をしていることを発信していますが、まず素敵だなと思うのは、そこに後ろ向きなニュアンスを感じないことなんです。仕事をしながら音楽活動をすることに対して、「全力で自分の人生を生きている」という前向きなスタンスを感じます。

山岸(Gt):たしかにライブのMCでも「僕たちは働きながらバンドを続けます」とよく言うんですけど、僕は、自分が好きだったこととか、自分がやってきたことに対して「諦めたくない」っていう気持ちがあるんです。こんな社会だし、普通に生きていたらどんどん暗くなるじゃないですか。今は特にそうだと思うけど、でも、それって当たり前のことなんですよね。未来が暗いことも、人生が辛いことやキツいことも、もう当たり前で。その当たり前の中で「どう楽しんでいくか?」を考え続けていきたいとは思います。「僕にできるんだから、みんなにもできるよ」とも思うし。

アキラ(Vo):最初はあまり「社会人バンドです」とは言っていなかったんですよ。でも、働きながらバンドをやることに対して、周りが「その生き方いいね」と言ってくれることが多くて。今は、誰かの希望になれるのなら押し出した方がいいなと思ってます。実際、私たちのライブには「今日、仕事が終わってから来ました!」と言ってくれる人が多くて。そういう人たちとは「お互い頑張りましょうね」っていうムードになるんです。

山岸:働きながらライブを観に来てくれること自体、めちゃくちゃ凄いことだしね。

左から山岸(Gt) / アキラ(Vo) / こーしくん(Vo)

こーしくん(Vo):僕は、仕事もバンドもずるずる始まって、ずるずる続けている感じなんですけどね(笑)。でも、それができるのはバンドも仕事も両方に楽しい側面があるからで。もちろん両方に嫌な側面もあるんですけど、それもまた一興って感じですね。あと、「今日はバンドに向き合わなきゃ」とか、「今日は仕事が忙しい」とか、一方に熱が傾く時があるんですけど、その時もう片方がなかったら僕は凄く嫌なんですよ。

アキラ:わかる。心持の問題として、仕事とバンド、両方に避難できる場所みたいなものがあるのはいいよね。

―そういうことも踏まえて、実は今日の取材の裏テーマにあるのが、映画『花束みたいな恋をした』の主人公カップルが、ずっと一緒に生きていくことができた世界線にいるバンドが少年キッズボウイなんじゃないか? という視点なんですけど(笑)……これはしっくりきますか?(※)

※主人公の麦と絹が学生時代に意気投合して付き合ってから、就職を経て環境が変わる中で、趣味や仕事に無関心になっていく麦と、仕事が楽しく充実した絹の間に価値観のずれが生じてくる様子が描かれる。

山岸:めちゃくちゃ嬉しいです(笑)。麦のように、多忙で好きだった趣味も忘れ、『パズドラ』しかできなくなる世界線とは真反対に僕らはいるということですよね。

アキラ:私も嬉しいです。でも、その一方で『パズドラ』しかできなくなる気持ちも凄くわかるんですよ。「社会人になったら本が読めなくなる」とか「料理ができなくなる」とか、そういう話もあるじゃないですか。それ自体がセルフネグレクトに繋がっている、みたいな話もあるし。それもわかるんです。でも、私たちは「それとは違う方向に行きたい」と思っているっていう。

―こーしくんはどうですか?

こーしくん:僕もその視点はとてもいいなと思います。根本的に、僕はハッピーエンド好きなんですよ。あの映画は寂しいエンディングじゃないですか。「それは嫌だな」と思っていたので。

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