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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

She Her Her Hersが中国で支持される理由。「また見たい」と思えるバンド作り

2025.1.30

She Her Her Hers『Pathway』

#PR #MUSIC

酸いも甘いも経験することが、人としての豊かさだからこそ「選択」を続ける。(とまそん)

ー歌詞についても伺わせてください。”Strawberry Picking”の<成果だけ得られるはずない / 大抵の人生は / いちご狩りではないさ>は、努力の先に進歩があることの見事なメタファーだなと思いました。

松浦:幼い頃、おかんにいちご狩りに連れてってもらった時に見た、農家のおじさんが手塩にかけて育てたいちごの説明を聞かず、我先にいちごを食べようとしてた参加者の姿が脳裏に焼き付いてて。子どもながらに「(説明を聞くことを)早送りしてあのいちごはほんとに美味しいのかな」みたいな感覚になったんです。味はまあまあ同じかもしれないけど記憶にはあまり残らない気がしていて。工程に夢中になれたら完成形は自然と愛せるはずだなと。はい。

ー曲のタイトルでさえも、実体験に基づくものだったんですね。とまそんさんが作詞した”moreish”の<酸いも甘いも しゃぶり尽くせよ everybody / 粋も曖昧も 味わえよ 全部>は、効率主義の社会で上手に「こなして」生きようと思ったら出てこない言葉だと思いました。

とまそん:本当に僕たちは酸いを味わったからこそ甘さがあったし、その喜びも実感できたんです。そのダイナミクスがあることが人として豊かだと思うし、そうありたいからこそ選択するんだと思います。

選択したものがどう転ぶかは自分次第だけど、そもそも選択しないと始まらないじゃないですか。誰かにおすすめされて選んだものに自分の意思があるとは言い切れないと思うんです。意思を持って選択したことが自分の身になっていく経験を積み重ねていきたいし、そういう人がもっと増えてほしい。そしたら世界はもっとおもしろく見えるはずだから。

松浦:今のとまそんは開眼しているというか、出てくる言葉が面白いフェーズに入ってるよね。

とまそん:2024年の8月からフィリピンのセブ島に移住したんですよ。今はセブと日本と中国の3カ所を行き来してて。「いつかタイミングがあったら海外に住みたいな」って前から思っていたんですけど、タイミングは待ってても一生来ない。自分で作るもの。自分が動くと、自然と状況もついてくる。やってみないとわかんないっていうか、山に登ってみないと見えない景色もあるので。そういう、最近感じた「やってみることの重要性」が自然と歌詞に表れているのかもしれないです。海外移住を考えてることを2人に話した時は「おもしろそう」って前向きなリアクションが返ってきたのもありがたかったですね。

ー日々の生活の忙しさに身を委ねてしまうとつい、自分が「本当にやりたかったこと」を見失ってしまうこともあると思います。「やりたいことをやる」とは、子どもの頃の夢を貫くことなのか、置かれた状況で自分が心踊る方向に向かうこと、どちらだと思いますか?

とまそん:「やりたいこと」はどんどん変わっていくけど、情熱がある事の方がよっぽど大事。子どもの頃からやりたかったことが今も変わらないのであれば、それはそれですごく素敵なこと。大人になったって、やりたいことを見つけちゃったならやってみればいい。でも、多くの場合僕達は「やらない理由」を無意識に探してしまう。子どもの時のように気軽に一歩目を踏み出せる心持ちが大事。違うなと思ったらそれはそれでいい経験になるはずで。結局、何歳から始めるのも全然遅くないんです。僕も中国語の学校に通っていて、「40代で今さら新しい言語を学ぶなんて」という気持ちもありましたが、やったらやった分だけ伸びるんですよね。

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