メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

『ザ・ロイヤルファミリー』壮大な継承のドラマに誘引する妻夫木聡・目黒蓮の演技

2025.12.14

#MOVIE

©TBSスパークル / TBS
©TBSスパークル / TBS

馬への不器用な情熱を丁寧に表現する目黒蓮

耕一の不器用さを視線の向け方や表情の強張りで丁寧に表現する目黒蓮©TBSスパークル / TBS
耕一の不器用さを視線の向け方や表情の強張りで丁寧に表現する目黒蓮©TBSスパークル / TBS

本作の後半を語る上で欠かせないのが、耕造の隠し子・耕一を演じる目黒蓮だ。

登場したときの耕一は、耕造に対して意固地になっていたが、馬が絡むと話は別だ。ロイヤルホープの次の世代の所有についての話を契機に、耕造と親子として向き合うことができた。親子のわだかまりよりも、馬のより良い未来を考えることの方が、耕一にとっては重要だったのだろう。

いつも顔をを落として話していた耕一であったが、話が馬のことなるとスッと前を見据える。その視線の熱さには、耕造の馬への情熱と近いものが感じられた。

耕一が耕造に提示した相続馬限定馬主を引き継ぐ条件は、ロイヤルホープの子どもを引き継ぐこと。耕一は栗須に、ロイヤルハピネス産駒(さんく)の馬であれば、相続したいと告げる。ロイヤルハピネスは、耕一の母・中条美紀子(中嶋朋子)が耕造のために選んだ馬だった。馬の話になると早口で相手をねじ伏せるように語る姿には、美紀子の論理的な相馬眼(そうまがん)を感じさせる。目黒の一つひとつの芝居が、この物語における継承を強く印象づけるのだ。

目黒といえば、ドラマ『silent』や『海のはじまり』などでの、複雑な葛藤の繊細な表現が印象的な俳優だが、耕一役はそうした役柄とは一線を画し、意思が強すぎて空回りする未熟なキャラクターに見える。そうした耕一の大きすぎてコントロールできない馬への不器用な情熱を、目黒は視線の向け方や表情のこわばりで丁寧に表現している。

そんな目黒の表情からも伺える耕造に似た頑固さ。この頑固さゆえに、耕一が耕造とは異なる形でロイヤルファミリーを支えてきたチームの面々とぶつかり合っていくことも、物語後半の見どころとなった。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS