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レスキュードラマ『PJ ~航空救難団~』は現代における「最後の砦」となるか

2025.5.29

#MOVIE

©テレビ朝日
©テレビ朝日

航空自衛隊航空救難団に所属する救難員、通称「PJ(パラレスキュージャンパー)」を育てる「救難教育隊」の選ばれし訓練生たちと教官たちの物語を描いたドラマ『PJ ~航空救難団~』(テレビ朝日系)。

内野聖陽が『臨場』シリーズ以来、15年ぶりにテレビ朝日の連続ドラマに主演することでも話題となった本作は、航空自衛隊の全面協力によるリアルな訓練シーンや救難活動、“時代錯誤”とも思われるような教育・指導のあり方が、令和の視聴者に新鮮な感動を巻き起こしている。

豪華スタッフと注目の若手キャストによる人間ドラマも魅力の本作について、毎クール必ず20本以上は視聴するドラマウォッチャー・明日菜子がレビューする。

※本記事にはドラマの内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。

“命と心”を救う航空救難員を目指す若者と大人のドラマ

航空救難団に救出された経験を持つ救難教育隊の沢井(神尾楓珠)と主任教官の宇佐美(内野聖陽)©テレビ朝日
航空救難団に救出された経験を持つ救難教育隊の沢井(神尾楓珠)と主任教官の宇佐美(内野聖陽)©テレビ朝日

熱血、根性、情熱――救難教育隊を舞台にしたドラマ『PJ ~航空救難団~』は、まさにそんな言葉がぴったりの作品だ。第1話では、テレビで流れた自衛隊が遭難者を救助したというニュースに対して、「これ自己責任っしょ」「マジで税金のムダ」とつぶやく描写もあったが、自己責任論や冷笑主義が加速している現代。救難教育隊を全力で駆け抜ける彼らを「時代錯誤」と嗤う人もいるかもしれない。それでも、“命と心”を救う航空救難員になるため、過酷な訓練に立ち向かう訓練生たちのひたむきな姿は、毎週、私たちの胸を熱くさせる。

背景もキャラクターも異なる7人の学生たちと始まった厳しい訓練生活

救難教育隊の訓練生たちと同じ目線に立つ主任教官・宇佐美©テレビ朝日
救難教育隊の訓練生たちと同じ目線に立つ主任教官・宇佐美©テレビ朝日

航空自衛隊の航空士職域のひとつ「航空救難員」を目指す救難教育隊の訓練生たちと、彼らを導く主任教官・宇佐美誠司(内野聖陽)を中心とした教官たちの1年間を描く『PJ ~航空救難団~』。「パラレスキュージャンパー」を意味する本作は、監督は『JIN -仁-』『義母と娘のブルース』(TBS系)などで知られる平川雄一朗、脚本は映画『東京リベンジャーズ』シリーズの髙橋泉がオリジナルストーリーを手がけ、航空自衛隊が全面協力していることもリアリティーに寄与している。航空救難団とは、他の救難組織が救助困難と判断した現場に赴く、「人命救助最後の砦」とも言える存在だ。航空自衛隊の中でも、選び抜かれたエキスパートたちだけがその任務にあたる。年に1回の選抜試験の倍率はおよそ5倍。わずか4~5人だけが卒業できる極めて狭き門だ。

桜が咲き誇る春、厳しい訓練生活は7人の学生たちとともに始まった。幼い頃に航空救難団に助けられた沢井仁(神尾楓珠)。選抜試験で女性初の合格者となった藤木さやか(石井杏奈)。自分が育った養護施設の子どもたちのヒーローになるため、航空救難員を目指す白河智樹(前田拳太郎)。自衛隊幹部の父を持つ長谷部達也(渡辺碧斗)。「日本人として生きたい」という思いからその門を叩いた西谷ランディー(草間リチャード敬太)。ラストイヤーでチャンスを掴むも家庭との狭間で揺れる学生長・東海林勇気(犬飼貴丈)。みんなのムードメーカー・近藤守(前田旺志郎)。ドラマでは一部の脚色はあるものの(さすがに消防ホースでの水かけはやらないらしい)、プールでの立ち泳ぎや呼吸停止の訓練、教官たちの厳しい叱咤のもと行われる筋トレなどは、実際の航空救難団の訓練プログラムを忠実に再現している。

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