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変化の切なさを描写し肯定するシリーズドラマ

放送中の『続・続』で、より浮き彫りになったテーマが「老いと死」だ。それは人生における最も大きな変化であり、誰にとっても避けようのないことでもある。本シリーズの脚本家・岡田惠和による過去の作品において、死を扱うこと自体は特別なことではない。たとえば、『さよならのつづき』(Netflix / 2024年)では、亡くなった恋人の心臓を移植された男性とヒロインが恋に落ちる。岡田がセルフリメイクをした『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系 / 2024年)は、原作漫画とは異なり、小さくなった南くんがすでに現実では亡くなっていたことが明らかになる。いずれも、どうにも覆せない運命の中で、若者たちが「大切な人の死」とどう向き合うか、その過程を丁寧に描いたドラマだった。
これまでの『最後から二番目の恋』の世界にも「死」は静かに存在していた。事故で妻を亡くした和平と、母を亡くしたえりな。深刻な持病を抱える真平と彼を見守る家族にとっても、「死」は日常の隣り合わせだった。そして、本作『続・続』では、千明が長年敵視していた「アホ部長」と和平の同期がある日、突然亡くなったことで、59歳の千明と63歳の和平にとって「死」は一層、身近に迫ってきたのである。第1話で触れられたコロナ禍のシーンも、その死の身近さをより強く思い起こさせた。
『最後から二番目の恋』は、変わることの切なさを描くのと同時に、誰もが変わりゆく存在であることを柔らかに肯定する。変化は時に切なさを伴う。もしかしたら、変わらない方が、同じ場所にいる方が、ずっと楽で幸せなのかもしれない。変化することで大きな失敗をするかもしれない。たとえそうだとしても『最後から二番目の恋』は、その場に留まれず、やがて歩み始める人たちを否定しないのだ。