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ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』が描いた専業主婦と独身女性のセカンドライフ

2025.6.23

#MOVIE

©フジテレビ
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2011年から専業主婦の孤独を描いていた先見の明

第7話での『最後から二番目の恋』の女性たちが集合した女子会©フジテレビ
第7話での『最後から二番目の恋』の女性たちが集合した女子会©フジテレビ

きっと多くの視聴者が、典子に対して「おっ?」と思ったのは、彼女が、働く女vs専業主婦の対立を語った『続・続』の第3話だろう。

「なんかほら、『女性も色々黙ってないぞ! ふざけんな』みたいな空気?あるじゃんその空気の中だとさ、なんだろう。分が悪いっていうのかな、専業主婦の方が」

「いや別に、私たちがダメって言ってるわけじゃなくてね。“闘ってない”っていうのかな……そう思っちゃう時があるんだ」

その後の千明との素晴らしいやり取りはぜひ本編を観てほしいのだが、2011年の『最後から二番目の恋』でも、千明のように働く女は、自分みたいな専業主婦を軽蔑してるんじゃないかと、典子が不安をこぼす場面があった。時代が進んでも、専業主婦に向けられる社会からの目線は一向に変わっていない。だが、当時より典子のセリフに共感の声が集まったのは、朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)の花江(森田望智)や、『続・続』と同クールに放送されていた『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(TBS系)の詩穂(多部未華子)のように、専業主婦の孤独や疎外感を描いた物語が、少しずつ増えてきた“いま”だからこそだろう。

「母」として「妻」として生きてきた典子が、突然その役目から解放されたことで、虚しさを表明する場面が増えたのは切なかったが、一念発起してエッセイを執筆し始めたことで、自分の人生の“主語”を取り戻したかのように、生き生きとしていったのは微笑ましかった。かつて「自分には何もない」と嘆いていた彼女が、日々の生活からヒントを得て文章を紡ぎ、それが彼女を社会に接続させるきっかけになるという素晴らしいエピソードだ。

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