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クラブのオーディエンスの変化と、ジェーン・リムーヴァー
松島:やや脱線しますが、普段DJをしている中で、特にデイタイムの若い世代向けの現場の雰囲気が変わりつつあるのを感じています。いままでデイタイムのクラブイベントって、好きなアーティストのライブアクトを目当てにチケットを買ってくるお客さんがほとんどで、DJはライブイベントの転換の時間と変わらない扱いだったりすることも珍しくなかったんですが、この間lilbesh ramkoくんたちと一緒に出演した『DEMONIA Vol.10』では、ライブタイムよりDJが盛り上がるみたいな、今まであまり考えられなかった逆転現象が起きていて。
—そうなんですね!
松島:みんなが知ってる曲や派手な曲だけじゃなくて、例えばUKガラージみたいな曲で若い子たちがブチ上がってくれたり。あくまで仮説ですけど、2023年、2024年ごろに『Boiler Room Tokyo』(=ロンドン発の、クラブイベントを配信するサービスの日本版)のアップロードが続いたじゃないですか。あれで若い人たちが、YouTubeを見る延長でクラブやDJの様子を見るようになって、自分も発散するように踊ってみたいというニーズが醸成されてきたんじゃないかな? と思います。あとは、ジェーン・リムーヴァーや2hollisといった、ハイパーポップやデジコア経由でインディペンデントからメジャー化していったアーティストたちの存在も、そうした文化の入口として一役買っているんじゃないかと。
—ジェーン・リムーヴァーも上半期、アルバム『Revengeseekerz』のリリースがありました。
風間:はい。ジェーン・リムーヴァー、『フジロック』で見る予定なので楽しみです。フジの深夜でどういうふうに盛り上がるのか気になりますね。いまdeadAir(=ジェーン・リムーヴァーをリリースしているレーベル)はめちゃくちゃ熱くて、今年はクアデカ(Quadeca)のアルバムがこれから出るはずなので、それもとても楽しみにしています。下半期にもこの回があったら、僕はクアデカの話ばかりしているかもしれません(笑)。
松島:うらやましい。ジェーン・リムーヴァーすごい見てみたかったです。2hollisは2月の初来日時にDJとして共演できて観れたんですけど、早くも『SONICMANIA』に来ますよね。フジがジェーン、ソニマニが2hollisを呼ぶのは、2大フェスそれぞれの志向がよく出ている感じがします。
キムラ:うんうん、そうですね。