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なぜメイ・シモネスは、日本語と英語を混ぜて歌う? バークリー出身の技巧派を取材

2025.8.22

#MUSIC

「東京でどれくらいの人が聴いてるのかな?」

─『FUJI ROCK FESTIVAL ’25』のRED MARQUEEでのライブ(2025年7月27日)、素晴らしかったです。ライブパフォーマンスとして、今のスタイルで初めて人前でやったのはいつですか?

メイ:えっと……いつだったかな? 今のバンド編成は2021年の終わりが最初だったかな。

─もうその時点で今でのメンバーが揃っていたんですか。

メイ:そうです。今回はひとりメンバーが変わったけど、あとは同じです。

─ギター、ベース、ドラムスに加えて、バイオリンとビオラでストリングセクションにするというアイデアはメイさんの提案?

メイ:“Hfoas”を作ってるときに、ビオラのノア・レオンが「ストリングスを入れてみたらいいんじゃない?」ってアイデアを出してくれて。それで「じゃあ、やってみていいよ」って私も受け入れたので、ノアがバイオリンのクラウディアス(・アグリッパ)を紹介してくれたんです。

─そうなんですね。今年リリースした1stアルバム『Animaru』でサウンドが一気にポップになったと感じた人も多かったかもしれないけど、実は最初からやってることは一貫している。

メイ:そうですね、私のなかでは。

─今のバンドのユニークだと思うのはどういうところですか?

メイ:やっぱりストリングスが入った編成は、今のインディーロックにはほとんどないですよね。バンドのレコーディングでストリングスを入れたりすることは多いと思うけれど、バンドのコアメンバーに入っているのはちょっと珍しいと思います。

ドラムのランサム・マカファーティとベースのノアム・タンザーの2人もジャズをしっかり勉強しています。ジェイデンはマイク・スターン(※)と一緒にツアーしたりしてて、私よりもずっとすごい仕事をしている。だからこのバンドの音楽が面白くなってると思います。

※1953年生まれのジャズギタリスト。マイルス・デイヴィスのバンドメンバーとしても知られる

─そこから自分の曲が外の世界に受け入れられていった経験も、大きな転機ですよね? レーベルとの契約とか。

メイ:大学を卒業して、2022年にニューヨークに引っ越してきた秋だったかな。ブルックリンの「Bayonet Records」からメッセージが来て、それで『Kabutomushi EP』をリリースすることになりました。

─それがきっかけで日本のリスナーにも届くようになった。日本や海外からも聴かれていることは意識しました?

メイ:そうですね。Spotifyでどこで何人くらいの人が私の音楽を聴いているかわかるから、よく見ますね。「東京でどれくらいの人が聴いてるのかな?」みたいに思いながら。

─それってどんな気持ちなんですか? 半分は自分のアイデンティティがある国の人が聴いてるというのは?

メイ:どうなんだろう? 単純にうれしいだけかなと思います(笑)。私はできれば日本でもっと仕事をしたいと思っているし、そのうち日本に住めたらいいなと思っているので、日本で聴いてくれる人が増えるのはすごくうれしいです。

─自分の居場所はアメリカにもあるけど、日本にちゃんと住んでみたいという気持ちは強い?

メイ:はい。日本が好きなので(笑)。1年に1回くらいは遊びに来てるし、楽しいです。いつもは遊びだけど、仕事で来ても楽しい。渋谷もよく行きますね。電車もアメリカに比べるとすごく便利で、時間通りに来るし(笑)。

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