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使い古されたスケートボードをで彫刻を作るHAROSHIは、モノの記憶を手繰って制作する

2025.11.15

#ART

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

8月18日は、使い古されたスケートボードを彫刻作品にする造形作家のHAROSHIさんが登場。独自の制作スタイルが生まれた背景のほか、思い入れのある作品や、この夏作ったバドワイザーとのコラボ缶などについて伺いました。

使えなくなったスケートボードの板を重ねて彫刻を制作

タカノ(MC):HAROSHIさんは使い古されたスケートボードで彫刻作品を制作されているということですが、まずこれはどういうことなんでしょうか?

HAROSHI:スケボーって、 真面目にやっていると1ヶ月ぐらいで板が折れてしまったり、削れて跳ねなくなったりして、駄目になってしまうんですよ。そういう駄目になった板をみんなから譲ってもらって、それを素材に彫刻を作っています。

タカノ:何か始めるきっかけがあったんですか?

HAROSHI:元々、僕らはジュエリーを作っていたんです。その1つとして木を材料にしたオリジナルジュエリーを作ろうと思い、質の良い木材を探していたのですが、高いし、お金もなったので、どうしようかなと思っていて。

僕はずっとスケボーをやっているので、スケボーだけは自宅にも山積みになるくらい、めちゃくちゃいっぱい持っていたんですよ。そうしたら、当時一緒にいた奥さんが「それで作ればいいじゃん」と言ってくれて、「確かに!」と思って、その時からからスケボーを材料に制作を始めました。

Celeina(MC):なるほど、ヒントは身近にあったということですね。そのデッキの一部を、実際にスタジオにもお持ちいただいています。

タカノ:断面が地層のようになっていますね。

HAROSHI:スケボーは7枚のメイプルの合板で作られているんですけど、1990年代の後半ぐらいから、綺麗な色が入り始めたんですよね。それで、材料として使うにしても、より魅力的になったと思います。

Celeina:スタジオにも真ん中に作品を鎮座されておりますが、これはどんな作品なんでしょうか?

HAROSHI:これは、タイガーマスクを作ったものです。友達が、頭が無くなってしまったタイガーマスクのソフビを持っていたので、頭だけ僕が作り直して、作品として制作していたんです。そうしたら、本家のタイガーマスクから連絡があって。「訴えられるのかな」と思ったら、「コラボレーションしようよ」というお誘いをいただいて。なので、これは初代タイガーマスクとのコラボということで、裏に佐山サトルさんのサインがあるんですよ。

タカノ:すごいですね!

Celeina:ボディーはソフビで、頭の部分をHAROSHIさんがスケボーの彫刻で作られた作品ということですよね。

HAROSHI:そういうパターンもあります。前に、1個の個展とその次の個展の間が1ヶ月しかないことがあったんですよ。作品が無くて、「やばいな、どうしようかな」と思った時に、僕のルームメイトが壊れたソフビをたくさん持っているのに目をつけて。「頭だけ作れば、個展ができるんじゃないか」と思ったんです。その壊れたソフビを集めて頭だけたくさん作ったのが最初で、そこから体がソフビで頭がスケボーのシリーズができたという感じですね。

タカノ:これらは、スケボーの板をたくさん重ねてギュッと圧縮して、それを切り出して、という工程で作られているのかなと想像したんですが、合っていますか?

HAROSHI:まさにその通りです。

タカノ:こけしや寄木細工などの伝統工芸に近いような、古風でアンティークな雰囲気も質感もあって、一方でストリート感もあって。そこが面白いですよね。

HAROSHI:やっぱり日本人なので、マメな仕事をすると、どうしても伝統工芸感が出てくるんですよね。ヨーロッパやアメリカの感じにはならないんです(笑)。

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