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焼酎の魅力の1つは、好奇心を掻き立ててくれるところ
Celeina:先ほど、蔵元に行ってすごく感動したというお話がありましたけれども、そこではどんな感動があったんですか?
野口:焼酎の大きな魅力の1つは、「知れば知るほど分からなくなる」という、好奇心を掻き立ててくれるところだと思っています。なぜ好奇心が掻き立てられるかというと、作っている人の情熱が、1滴、1本にすごく込められているからなんですよ。
その蔵元で私が教えていただいたのは、本格焼酎は、醤油やお味噌と同じく、日本人の食のルーツの1つである「麹」を使って造るお酒だということと、農家さんや瓶のメーカーさんなども含めて、焼酎を作る工程に本当に色々な人が関わって1本の焼酎ができているということです。そんな生産者さんに「会いたい」と思ったら会えるお酒がこの日本にあるならば、それはもう愛さざるを得ないな、と。
タカノ:会いに行きたくなりますね!
野口:会いに行きたいですし、やっぱり飲みたくなります。すごく素敵なお酒だなと思ったんです。
タカノ:味も、もちろんお好きなポイントですよね?
野口:もちろんです! ただ、「美味しい」とか「美味しくない」というのは、すごく個人の主観で、自分が食べてきたものや、ルーツにも左右されますよね。そんな中で、焼酎の本当に大きな魅力は、その多様性にあると思うんですよ。味わいの幅が広くて、例えば芋焼酎、麦焼酎、米焼酎、黒糖焼酎、そば焼酎など、原料だけで49品目もあるんです。中には、ニンジンなど、結構驚きの原料もあります。
Celeina:ニンジンの焼酎があるんですか!
野口:そうなんです。それぞれみんな個性があって、飲み方でも変わるし、何なら注いでくれる人によっても変わるから、お店ごとに味わいも違う。人の多様性とお酒の多様性が掛け合わさって魅力的になっていく、というのも私が絶対に伝えたいポイントです。
タカノ:今日お話を伺って、ものすごく興味が湧いてきました。
野口:嬉しいです! さっき、若手のスタッフの方が挨拶に来てくださったんですが、その方も「焼酎が好きだ」とおっしゃっていて。本当に世代も国境も越えて、すごくファンが増えているなと感じます。