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選手のヒーローインタビューでは、選手の喜びが伝わるように言い回しを工夫する
Celeina:通訳さんによって専門分野も違うじゃないですか。スイニャンさんの場合は、ゲーム用語がたくさん出てくると思うんですけど。
スイニャン:そうですね。私が今携わっているゲームの『リーグ・オブ・レジェンド』は、英語だと『League of Legends』という名前で、最後に複数形の「s」がついているんですよね。なので、おそらく英語の発音的には「レジェンズ」と読むと思うんですけど、日本の正式タイトルが『リーグ・オブ・レジェンド』なので、読み方に気をつけないといけないとか、そういう細かいポイントがゲームの中にいくつもあって、全部覚えなくちゃいけないんです。
Celeina:技の名前とか、ゲームの中での流行りの言葉とかもありそうですよね。
スイニャン:日本人も韓国人も、略して短い言い方に変えるのが大好きで、長い技名を短くするんです。ただ、略し方が日本語と韓国語で違うので、両方覚える必要がありますね。
タカノ:大変ですね。韓国の方はカカオトークを「カト」って読んだりしますよね。2つの頭文字をくっつけたりすることが多い気がします。
スイニャン:そうなんですよ。でも、日本語だと「カカオトーク」じゃないと通じなかったりします。
Celeina:通訳をする時に気をつけているポイントはありますか?
スイニャン:私の場合は、ヒーローインタビューが多いんですよ。野球とかサッカーみたいに、試合に勝ったチームの方に「今のお気持ちはいかがですか?」みたいなインタビューをすることが多いので、選手の喜びが伝わるように、演技とまではいかないにしても、情感が伝わるような訳し方をするように工夫しています。
タカノ:感情がより伝わるようにということですよね。
スイニャン:盛り上げ役じゃないですが、ファンの皆さんに選手の言葉が伝わりやすいようにしようと心がけています。
Celeina:逆に通訳をされていて、難しいとか大変な部分はどの辺りですか?
スイニャン:通訳というよりはeスポーツの特徴になるかもしれないんですが、ゲーム自体が常にアップデートされていくんですよ。『リーグ・オブ・レジェンド』だと、 2週間に1回とかのペースで新しい要素がどんどん出てくるので、アップデートのたびに覚えなきゃいけないことが増えていくのが結構大変ですね。
タカノ:ご自身ではプレーをせずに覚えていらっしゃるんですよね。
スイニャン:そうですね。見るのが大好きなので。