グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月17日は、eスポーツニュースサイト『Negitaku.org』を運営するYossyさんからの紹介で、ライターをしながら、eスポーツの現場で通訳もされている、スイニャンさんが登場。eスポーツの大会で日韓通訳をやるようになったきっかけや、インタビューをする際に大切にしていることなどについて伺いました。
INDEX
取材のために参加した大会で、急遽通訳をすることになった
Celeina(MC):スイニャンさんは韓国在住時にeスポーツと出会い、プロゲーマーの追っかけを始めたことをきっかけにキャリアがスタート。2009年ごろからライターとして活動を始め、2017年からは『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)』の国内プロリーグ公式日韓通訳に抜擢されています。その後も『VALORANT』など複数タイトルで韓国人選手の通訳を担当しており、日本eスポーツアワード 2024では、功労賞を受賞されています。自らはほとんどプレイせず、プロゲーマーの試合を観戦して楽しむ「観戦勢」でもいらっしゃいます。
タカノ(MC):「観戦勢」という言葉があるんですね。
スイニャン:「観戦勢」はほとんど私が作った言葉ですね。一般的には「動画勢」と言われることが多いかなと思います。
タカノ:もともとライターとして活動していらっしゃったそうですが、通訳はどういったきっかけで始めることになったんでしょうか?
スイニャン:『リーグ・オブ・レジェンド』の国内大会が始まる時に、「取材しに来てください」と依頼が来たんですよ。そのご縁をきっかけに、何度か取材していたんですが、ある時急に半数くらいのチームが韓国人選手をチームに加えて、その韓国人選手たちが大活躍したんです。私は現場で取材していただけなんですが、「あの大活躍した選手にどうしてもインタビューをしたいんだけれども、言葉が通じなくて。 ちょっと通訳していただけませんか」と言われて、急遽その場でやったのが最初です。
Celeina:急遽、通訳をやった時はドキドキしませんでしたか?
スイニャン:そうですね。生放送だったので。
タカノ:いきなり生放送ですか!
スイニャン:当時はまだ『リーグ・オブ・レジェンド』自体がそこまで知られていなかったので、お客さんも50人くらいだったと思うんです。それでもある程度お客さんがいる状態だったので、それなりに緊張しました。ただ、それよりももうバタバタしていて。 取材の人ってプレスのタグを首から下げているんですが、慌てすぎてタグをかけたまま通訳に入ってしまって、「プレスの人が通訳しているぞ」みたいな状況を生んでしまいました(笑)。
タカノ:すごいキャリアのスタートですね! Celeinaさんも海外の方が来た時に、英語で通訳をやったりしますよね。
Celeina:通訳者の先輩として色々教えていただきたいです。言語を翻訳する時、韓国語と日本語を行き来していると思うんですが、頭の中で言葉が混乱してしまうことってありませんか? 私は本当に感覚でやってしまっているので、どうやって自分が思考回路を動かしているのかがわからなくて。スイニャンさんがどうやって翻訳されているかを伺ったら、私も自分の中で謎が解けるかもと思ったんですけれども。
スイニャン:韓国語と日本語は文法が結構似ていて、語順が同じ感じなんですよね。なので順番に訳していく感覚でできるんです。例えば同時通訳だと、聞こえてきた韓国語に当てはまる日本語をそのまま喋る感じで訳せるのでちょっと楽ですね。
私、実は中国語もちょっと喋れるんですが、中国語は英語と似た語順で、結論が最初に来ちゃうんです。動詞が前に来るので、中国語から日本語訳をスピーディーにやろうとすると、「私は好きです。 何々が」みたいな語順になってしまうんですよね。日本語としてちょっと聞きづらい感じになるので、私が中国語の通訳をする際は、最後まで聞いてからまとまりで話すというやり方をしています。