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今注目するべきポイントを掴んで言葉にする
タカノ:プロとして活動されているということで、実況のスキルや、メソッドについても気になります。生放送のラジオとも、少し似ているところがありそうですよね。
eyes:どうなんですかね……。ただ、例えば球技だと、分かりやすくボールがあるじゃないですか。ゲームには、そのボールがないんですよ。それが普通のスポーツとは違うところです。
タカノ:そっか、確かに。
eyes:なので、見ている人も全員プレイヤー目線なんです。サッカー観戦だと、プレイ経験がない方もいらっしゃると思うんですけど、eスポーツを見ている人は、ほぼ全員が実際にプレイしている人なんですよ。見ている人の目線と、キャスターの目線にあるボールの位置を、常に合わせなきゃいけないんですね。「今、注目すべきはここですよ」というのをポイントで示してあげて、戦いの10秒以内にその解説を収める、みたいな感じです。
タカノ:難しそうですね。
Celeina:ゲームを熟知していないとできないですよね。アップデートなどもあるでしょうし。
eyes:はい。スイニャンさんも言われていましたが、アップデートの頻度が多いんです。
Celeina:昨日、我々も学びましたよね。どんどんアップデートがされていくと。
タカノ:常に情報のインプットをしていかないといけない、ということですね。あと、当然かもしれないですけれど、やっぱりすごくいいお声じゃないですか。
eyes:ありがとうございます。
タカノ:何かアナウンサーの勉強や、ボイストレーニングなどもされていたんですか?
eyes:プロになってから、会社の方に「アナウンス学校に行きなさい」と言われまして。発声などは、一通りそこで学ばせていただきました。
タカノ:なるほど。それまでは独学というか、全部ご自分でやられたということですもんね。
Celeina:見る人の視線がどこにあるか把握するというお話がありましたけれど、その他に実況するとき大切にされているポイントなどはありますか?
eyes:1つの画面で10人が戦っているんですが、10人全員のことを同時には言えないじゃないですか。なので、「どちらのチームがやりたいことをやっていて、それの対応策はどこなのか」というのだけは絶対に逃さないようにしています。それを言わないと、結局何が起こっているのかわからないまま終わってしまうので、そこは意識していますね。
タカノ:すごく頭を使いそうですね。
eyes:本当にそうなんです。例えばサッカーだったら、画面上でボールを持っている選手は1人で、その周りに5人とかいるじゃないですか。その5人分の動きを全部言っている感じなんですよ。
Celeina:ボールが5つあるみたいなものですね!
タカノ:描写については、ワーディングとか、表現の上で何か気をつけていることはありますか?
eyes:メインはネット配信なので、なるべくミームを取り入れたりしています。あと、僕が配信を始めた当時は、まだネット配信の文化自体があまりなかったんですよね。なので、テレビで禁止されている用語は基本的に使わないようにしようとか、そういうことは心がけています。
Celeina:ミームだと、例えばどんなものがあるんでしょうか?
eyes:ミームと言っても、例えばプロ選手のミームを使うとか、そういう感じです。ただ、一昨年ぐらいに日本のアニメの用語が海外の方でバズって、コメントがそれで一時期荒れたことはありましたね。僕は何のミームか全くわからなかったんですけれど(笑)。
タカノ:面白いですね。コメント欄だけ見ていてもすごく楽しそうです。
Celeina:実況も、色々な角度から楽しむことができますよね。