グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月2日は、古着屋「吊り橋ピュン」のヒグチサトルさんからの紹介で、画家でアーティストの久喜ようたさんが登場。表現活動のきっかけとなった石垣島での出会いのほか、細マッキーでキューピー人形に細密画を施す作品についても伺いました。
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石垣島で写真家・林弘康と出会い、表現活動をスタート
Celeina(MC):久喜ようたさんは、幼少期からご自身の性自認について世間との違和感を抱き、二元論にとらわれない絵を描かれているノンバイナリージェンダーの画家・アーティストです。まずは表現活動について伺いたいのですが、2020年に滞在された石垣島からスタートされたとお聞きしています。きっかけは何だったのでしょうか?
久喜:人生が大きく変わり、家と仕事を同時に失った時期がありまして、そのときに友人と石垣島へ旅行したんですが、そこで写真家の林弘康さんと出会ったんです。彼は、女性性と男性性を併せ持つ神話上の存在「アンドロギュノス」を題材にした作品を撮影したいと考えていて、自分と出会った瞬間に「適任のモデルが来た!」と言ってくださったのです。その出会いをきっかけに石垣島と行き来するようになり、そこから表現活動を始めようと思いました。
タカノ(MC):まさに奇跡的な出会いですね。しかも舞台が石垣島というのも印象的です。
久喜:本当にありがたいことです。
Celeina:絵を描かれるようになったのは、いつ頃からでしょうか?
久喜:ちょうどその時期、30歳を過ぎてから本格的に描き始めました。
Celeina:本格的に取り組まれたのが30歳を過ぎてからなのですね。
久喜:幼少期から絵を描いていて、それに救われながら生きてきたのですが、30歳を超えて「自分に残っているものは何だろう」と考えたときに、やはり絵があると思い、本格的に取り組み始めましたね。
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偶然が重なって生まれたキューピー人形の細密画
Celeina:本日、スタジオに作品をお持ちいただいています。こちらは高さ50cmほどのキューピー人形ですね。非常に細かい細密画が全体に描かれています。頭のてっぺんから足の裏まで、360度びっしりと模様があります。
久喜:大きく分けると11のセクションになります。お腹、背中、腕の表裏、足、頭といった具合に分けています。
Celeina:この人形は黒1色で描かれていますが、どのような道具を使っているのですか?
久喜:ただの細マッキーで描いているだけです。誰でも今日から挑戦できますよ。
Celeina:驚きました。線を何重にも重ねて描かれているのですね。
タカノ:よく見ると、魚や植物、目のモチーフなども描かれていますね。腕にはレンコンや蓮の花のような模様もあります。
久喜:見る人の解釈は自由であってほしいので、そう感じてもらえるのは嬉しいです。
タカノ:描く際には、あらかじめ完成図を思い描いているのですか?
久喜:いえ、特に完成図はありません。描き進める中でどんどん広がっていきます。
Celeina:このキューピー人形は著作権フリーなんですよね。こちらをモチーフに選ばれた理由はありますか?
久喜:コロナ禍で外出ができなかったとき、家の床に30cmほどのキューピー人形が転がっていたんです。それを見て「描いてみよう」と思ったのが始まりです。それがプロトタイプとなり、その次に64cmのキューピーに描いたのが今日の作品です。
タカノ:出会いやきっかけなど、すべて偶然が重なっていますよね。
久喜:本当に多くの方のおかげです。