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是枝監督に影響を受け、ドキュメンタリーのゼミに所属
Celeina:大学ではドキュメンタリーのゼミに所属されていたそうですが、ドキュメンタリーに特別な関心をお持ちだったのでしょうか?
木村:実は最初から強い興味があったわけではありませんでした。ただ、是枝監督がドキュメンタリー出身だと本で知りまして、そこに書かれていた先生のゼミがちょうど自分が進学を考えていた大学にあったので「この人のもとで学べば良いのでは」と考え、ゼミを選びました。
Celeina:学びたい先生がいるから大学を決めた、ということだったのですね。
木村:そうです。とにかく映画を撮りたい一心でした。その学校には「映画」という言葉が一応書かれていましたが、実際は美大や日芸の映画学科のような制作主体の環境ではなく、座学中心で、ドイツのプロパガンダ映画を学ぶなどの内容でした。なので、大学の授業内で映画を撮ることはできませんでしたね。
タカノ:それでも在学中に短編映画『ファースト・ピアス』を制作されたんですよね?
木村:はい。ドキュメンタリーゼミにいた友人が「あなたは面白いはずだから映画を撮るべきだ」と言い、仲間を集めてくれたことがきっかけでした。専門知識を持つ人もおらず、キャストも友人たちという、まるで草野球チームのような手探りの制作でした。
タカノ:『天使たち』も非常に印象的でした。リアリティがあるだけでなく、歌舞伎町のダーティーな部分だけではなく、光の瞬間や美しさがありました。
Celeina:確かに場面の組み合わせが独特でしたね。
木村:皆が想像する典型的な歌舞伎町ではない姿を描きたいと考えていました。