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「ソ連ファンク」はサブスクにないため、レコードを大量に買って1枚ずつ聴く
Celeina:そんなルーツをお持ちだからこそ、今この「ソ連ファンク」というジャンルに注目してDJをされていると思うのですが、「ソ連ファンク」の音楽性はどんな感じなんですか?
山中:ソ連の音楽はすごく多岐に渡っていて、ジャズ、ソウルファンク、プログレ、サイケとか本当に色々なものがあって、1990年代までの英米の音楽と同じくらいジャンルの数はあるかなと思います。その中で、グルーヴがある音楽を一括りにして「ソ連ファンク」と名乗っちゃっている、という感じですね。
Celeina:「ソ連ファンク」はかなりニッチなジャンルだと思うんですが、曲をディグる時はどうしていらっしゃるんでしょうか……? フィジカルでしか残っていないですもんね。
山中:ほとんどサブスクにもないですし、CDにすらもなっていないので、本当にレコードを集めることしかできないですね。
タカノ:どうやって探し当てているんですか?
山中:レコードを集めてもう10年以上経っているので、本家のレコードの繋がりを活かしたりしつつ、現地の人や友達からたくさん送ってもらいますね。 とにかく大量に買って1枚1枚確認して、余ったものを売ったりしてぐるぐるさせて今に至ります。
Celeina:確かにレコードを手にするまではどんな音楽かもわからないですもんね。インターネットでもチェックできないですし。
山中:僕はロシア語の文字も読めないので、とにかく何千枚も買って聴いてみるしかないですね。
タカノ:音楽的な特徴ってあったりするんですかね?
山中:本当にバラバラなんです。ソ連は世界一大きい国だったので民族性もバラバラだったんですが、当時の音楽は1つだけしかないレーベルからリリースされていたんです。それに加えて、音楽は全て検閲されるので、だんだんバイアスがかかっていって、何となく統一性が生まれていったんですよ。それがすごく面白いんですよね。でも音楽自体はあまり違和感なく聴けるかなと思いますので、そういったものを皆さんにも楽しんでいただければなと思って色々紹介したりしています。