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道路を「楽しむ場所」に変えるチャレンジに取り組んでいる
タカノ:池袋での取り組みも気になります。「IKEBUKURO LIVING LOOP」というプロジェクトを、南池袋公園とグリーン大通りで進めているそうですが、これはどのようなプロジェクトなのでしょうか?
飯石:私自身、現在は東京の豊島区に住んでいますが、その地域にある南池袋公園と、駅前のグリーン大通りを舞台に、いろいろな実験をしながら、新しい場所の使い方を街の人たちと一緒に考えていく取り組みを行っています。このプロジェクトはすでに10年ほど続いています。
タカノ:そもそものきっかけは何だったのでしょうか?
飯石:もともと南池袋公園は、治安のイメージで課題のある場所だったのですが、それを豊島区が整備して、きれいに生まれ変わらせようという動きがありました。その流れの中で、隣接するグリーン大通りも含めて、街全体をより魅力的なエリアにしたいという構想が生まれ、私たちもそこに参加することにしました。
タカノ:本日お持ちいただいた冊子がありますが、これはZINEですか?
飯石:そうです。多くの方に配布しています。道路を使うということに、あまりイメージを持っていない方も多いかもしれませんが、ただ通行するだけでなく、公園のように使えたら面白いですよね。たとえば、マーケットを開いたり、昨日出演されたアリソン理恵さんとも協力して、ストリートファニチャーの設置なども行なったりしています。道路も視点を変えることで、人々が集い、楽しみ、さまざまなチャレンジができる場になることを伝えたいと考えています。
Celeina:カラフルで可愛らしいレイアウトのZINEですね。キャッチーでありながら、しっかりとプロジェクトの内容が伝わってきます。アリソン理恵さんの寄稿や、ストリートファニチャーの写真も掲載されていますね。
タカノ:テーブルや椅子が設置されていて、そこで人々が会話したり交流したりする様子が想像できます。
Celeina:時計台もその一環ですか?
飯石:はい、それもストリートファニチャーの1つです。グリーン大通りは路面電車が走っていた道路で、かつては駅が存在していたんです。その歴史を少しでも引き継ぐかたちで設置されたものです。
Celeina:確かに、駅のホームのような構造ですね。水色とオレンジを基調としたデザインが印象的です。
飯石:待ち合わせをしたり、掲示板に「先に行きます」と書いたり、携帯がなかった時代のちょっと懐かしいやりとりができるような空間でもあります。