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「コーラって何味なの?」という素朴な疑問が思わぬ歴史を明らかにすることに
Celeina:他にも何か手応えを感じた記事はありましたか?
大北:自分で思いついたんですが、「コーラって何味なの?」という疑問から出発した記事は手応えがありました。コーラって、何十億人が飲んでいるじゃないですか。 記事を書いたのは2013年あたりなんですが、コーラは一体何味なのか当時は分からなかったんです。
タカノ:言われてみればそうですね。
大北:なんだかわからないものを何十億人が「うまいうまい」と言っているのってすごく変な状態だなと思って。この疑問を調べようとメーカーに聞いたら、「ちょっとそれはあんまり喋りたくないです」と言われてしまったんです。行き詰まったなと思っていたところ、静岡のサイダー会社の人がコーラは何味なのかを教えてくれました。
日本全国にはジュースを作っている会社がいっぱいあったんですが、1960〜1970年にコーラが海外からやってきた時に、ジュース業界のマーケットが侵食されてしまったそうなんです。日本のジュース会社が何とかコーラをやっつけようと、アルファベットの「C」を「狩る」という意味で名付けられた「Cハンター」というジュースを売り出したり、「ガラナ」を置いたり、色々対策をしたんですが、マーケティングの力でコテンパンにされてしまったそうです。小さい疑問から出発したのに、日本のジュース戦争にたどり着くという、壮大な話だったんですよ。
タカノ:面白いですね。
Celeina:自分の面白いを突きつめるって大事ですね。
タカノ:結局コーラは何味なんですか?
大北:メーカーの人から怒られるので、明言するのは避けますね。
Celeina:言えないんだ! 面白いを探求した人のみぞ知るということですね。
大北:ただ、記事を出した後にクラフトコーラブームがありましたね。どれも薬膳的な素材から作られていると思います。
タカノ:詳しくは大北さんの記事『「コーラってそもそも何味なの?」メーカーに聞いた』を読んでほしいですね。