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アーティストの滝朝子は、アートの枠を超えエチオピア人に寄り添い生活支援を行う

2025.6.6

#OTHER

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

5月15日は、映像作家 / 映画監督の空音央さんからの紹介で、アクティビストでアーティストの滝朝子さんが登場。イギリス留学時代に多様な価値観に触れた経験や、アートの枠を超えて実生活に密着した支援活動についても伺いました。

イギリス留学を通じて、多様な価値観に触れた

Celeina(MC):滝さんはイギリスに留学されていたんですか?

滝:そうです。イギリスの大学に通っていました。

Celeina:アートを専攻されていたとのことですが、イギリスでの生活の中で、何か発見や気づきはありましたか?

滝:ロンドンに住んでいたのは15年以上前なのですが、多様な価値観に触れることができました。もともと社会問題にも関心があったため、アートを通じて何かできるのではないかと思い、渡英を決めたんです。当時の日本では、若者の間で流行や価値観が比較的はっきりしていた印象があるんですよね。

タカノ(MC):アート作品としては、どのようなものを制作されたのですか?

滝:私は中高で英語を学んでいたにもかかわらず、イギリスで居場所を見つけるのに苦労したので、日本にいるけれど、日本語を学んでいない海外の方が日本で居場所を見つけることは難しいだろうなと感じました。なので、そうした方々とともに参加型のアートのワークショップを行なっていました。

アートを通じた関わりから、生活を共にするように

Celeina:現在は、エチオピア人コミュニティへの生活支援や文化交流の活動もされているそうですね。何かきっかけがあったのでしょうか?

滝:地域の人々と一緒に活動する方が良いと考え、東京で区民館などにあるボランティアの日本語教室を探していたところ、NPOを立ち上げたエチオピア人の方々に出会ったんです。自分たちで活動を展開していたのですが、私もボランティアとして関わるようになりました。以前まではエチオピア人同士で助け合っていたものの、コロナ禍を経て、仕事がなくなったり、生活が困難になったりする方が増えたため、現在は生活そのものを共にするような形になっています。最初はアートを通じて関わり始めたのですが、より深い関わりが生まれましたね。

タカノ:滝さんが住んでいる地域には、エチオピア人の方が多いのですか?

滝:はい。日本全体ではおよそ600人ほどしかいないのですが、そのうち約120人が葛飾区に住んでいます。

Celeina:日本にいるエチオピア人の約5分の1の方が葛飾区にいらっしゃるのですね。異国の地で、言葉の通じるコミュニティがあることは心強いですね。そうした中で、自然と生活が近づいていったのでしょうか。

滝:葛飾区は、かつてから東北出身の方や在日朝鮮人の方などが多く働いていた地域で、理解のある大家さんや工場が多くあったんです。エチオピア人の方々もそこに住み始め、友人を紹介し合う形で徐々に人数が増えていったようです。

タカノ:言葉の壁は大きいのでしょうか?

滝:非常に大きいですね。エチオピアはアフリカの中で唯一植民地支配を受けなかった国なので、そこに誇りを持っていて、現在でも「アムハラ語」という独自の言語が使われているんです。日本についても「SONYしか知らない」という方も少なくありません。

タカノ:滝さんはどのようにコミュニケーションをとっていらっしゃるのですか?

滝:大学に通っている方は英語を話せるので、英語で会話をしています。また、NPOの代表者は日本語も堪能なんです。

Celeina:英語で会話できる人とは英語で会話しつつ、日本語ができる方に通訳を頼んで会話しているということですね。

滝:そうですね。日本に住んでいるうちに日本語を学ばれる方も多いです。

Celeina:逆に滝さんは、アムハラ語をお話しになれるのですか?

滝:テニッシ。アムハラ語で、ほんの少しだけという意味です。そう言うと喜んで話しかけてくれるのですが、内容までは分からないんです(笑)。

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