グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
4月28日は、番組からの推薦で、コミックエッセイ『台湾「ワン」ダフルライフ』を3月に出版した、イラストレーターのKanbin Nagataさんが登場。台湾の犬たちの気ままな暮らしぶりや、住んでいた地方都市・宜蘭(イーラン)の魅力のほか、制作中の新シリーズ『生活にオチはない』などについて伺いました。
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自由に暮らす台湾の犬たちをテーマに本を出版
タカノ(MC):Kanbinちゃんは僕のお友達で、先日もお会いしたばかりなんですよ。そのKanbinちゃんがなんと本を出版されたということで、今日は呼ばせていただきました。
Kanbin:ありがとうございます。
Celeina(MC):雨の中お越しいただいて、ありがとうございます。3月20日に扶桑社から発売されました、『台湾「ワン」ダフルライフ』という1冊ですね。タイトル通り犬がテーマの本で、ご家族の都合で過ごした台湾での暮らしと、そんな中で出会ったワンちゃんたちとの日々がつづられた、コミックエッセイになっています。

タカノ:読ませていただきましたが、本当に素敵でほっこりした気持ちになりました。
Celeina: たくさん笑いましたね。
タカノ:日本と台湾のカルチャーの違いも面白かったですよね。
Celeina: 確かに、犬カルチャーが全然違うなというのを感じました。Kanbinさん自身、台湾で見かけた犬と日本で見かけた犬と、何か違いを感じられたんですよね?
Kanbin:感じまくりでした。まず台湾では、自分の意思で、単独で行動しているワンちゃんがそこら中にいるんです。好きなように歩いてトイレして寝て、というふうに過ごしている子たちがたくさんいて。その様子を、台湾の人たちも「犬ってそういうものでしょ」と受け入れていました。それが、最初に気づいた大きな違いでしたね。
タカノ:なるほど。日本より自由なんですね。
Kanbin:すごく自由に、好き勝手に生きていると思います。
Celeina: 当たり前が全然違いますね。飼い方も、放し飼いみたいな方が多いんですよね?
Kanbin:日中は勝手に行動して、日が暮れると帰ってくる猫みたいなスタイルで、犬も「行ってきます」と出かけちゃうんです。見かけると、「あいつ、今日はそこにいるんだ」という感じです。
タカノ:不思議な感じがしますね。Celeinaさんも、ワンちゃんを飼っていますよね?
Celeina: ビジョンフリーゼのモモちゃんがお家にいますが、そこまで自由にさせられないですね(笑)。国単位で文化も違うしルールも違うからこそ、ワンちゃんの過ごし方に大きな違いがあるんだと思います。
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犬が選んだ、思わぬ形の出会いに憧れる
Celeina: 『台湾「ワン」ダフルライフ』には、色々なエピソードがつづられているんですよね。Kanbinさんのお友達が出会ったワンちゃんのことや、ワンちゃんと暮らすようになったいきさつなど、本当にほっこりするようなお話が詰まっているんですけれど、中でも忘れられないワンちゃんとの出会いはありますか?
Kanbin:今挙げていただいたエピソードは、どれも本当に印象的ですね。犬は犬で勝手にやっているので、人間が自分の意思を挟まないで、思わぬ形で犬と出会っちゃうんですよ。本の中には、ある日突然、急に犬が職場に来たみたいなお話が多く載っています。そういう「思わぬ形で出会っちゃう」系のエピソードが1番うらやましいな、というのはずっと思っていました。
Celeina: 分かるかも。何か、運命を感じますよね。
Kanbin:そう、運命なんですよ。みんな葛藤がありながらも、そのまま飼う、というのが。
Celeina: 私はこの週末に中国に行っていたんですが、上海で私がライブした会場をアテンドしてくださった方の会社には、たまたまオフィスに入り込んできちゃった猫ちゃんがいて、そのままお世話している、というお話を伺いました。犬じゃなくて猫ちゃんなんですけれども、それも運命ですよね。
Kanbin:ワンちゃんや猫ちゃんの方から、「そこがいい」って言って選んで来ちゃうんですよね。それで人間の方も世話しちゃうみたいな。
タカノ:人間だけでなく、犬の側からも矢印が来ているから、両方から矢印が向いた結果一緒に暮らすことになるというのは、一方通行ではない感じがすごく良いですね。
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友達も犬も近くにいる、宜蘭での暮らし
タカノ:Kanbinちゃんは台湾で暮らされていて、今は日本に帰ってきていますが、その前も色んな国に行かれていたんですよね?
Kanbin:行っていました。そのときからずっと犬を飼っているんですよ。幼稚園ぐらいのときにオーストリアで純血のダックスフントを飼っていて、その子とは一緒にドイツにも行きました。日本に帰ってからは、雑種の保護犬の子を引き取って、この間まで住んでいた台湾でも雑種のワンちゃんを引き取ってという感じで。
Celeina: 台湾で一緒に住んでいたワンちゃんは、本にもたくさん登場する「ヤンズ」ですね!
タカノ:このコミックエッセイでは、台湾の暮らしの様子が描かれているのもすごく魅力でした。ワンちゃんエピソードとは別で、出てくるご飯の話などから、その町の過ごし方や空気感が感じられるのがいいですよね。Kanbinちゃんが住んでいたのは、台湾のどの辺りなんですか?
Kanbin:台北の南東で、台北から高速バスで1時間ぐらいの宜蘭(イーラン)という町です。日本に例えると、東京から見た茨城くらいの距離感の田舎町ですね。
タカノ:どんな暮らしぶりでしたか?
Kanbin:平和でのどかな場所で、すごくコンパクトなんですよ。 ご飯屋さんがたくさんある繁華街的なエリアと農村のエリアがあるんですが、その間もバイクだと10分ぐらいで、生活圏がギュッとしていました。友達も犬もその中にたくさんいて、暮らしているとみんなに会える、すごく住みやすいところです。
Celeina: このコミックエッセイを読んで、とても行ってみたくなりました。
Kanbin:私も行きたいです。
Celeina: もう戻りたくなっていますね(笑)。『台湾「ワン」ダフルライフ』には、犬と仲良くなるための中国語を紹介しているページもありますね。少し教えていただけますか?
Kanbin:色々ありますよ。今飼っている犬の「ヤンズ」には、マテ、オスワリ、ヨシは中国語で教えたんです。オスワリは「ツォー」、マテは「デン」、ヨシは「ハオ」と言います。
タカノ:難しいですね。Kanbinちゃんは、中国語は結構話せるんですか?
Kanbin:すごく適当な会話ならできます。
タカノ:日本に来てから、ヤンズには日本語と中国語をミックスして話しかけているんですか?
Kanbin:そうですね。とは言っても「オスワリ」とか、4つくらいの単語しかないですが。
Celeina: もう、ヤンズも十分バイリンガルですよ。
タカノ:日本語も理解しているのかな?
Celeina: 今、一生懸命吸収しているんじゃないですかね。
Kanbin:吸収中です。
タカノ:いいですね。『台湾「ワン」ダフルライフ』は皆さんにも読んで欲しいです。
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オチのない生活を大切にしていきたい
Celeina: Kanbinさんは、今後はどんな作品に取りかかる予定ですか?
Kanbin:私はイラストを描くときに、「日常の中の非日常を描く」というのをテーマにしているんです。日常の中に転がっている、ちょっと変なこととか不思議なことを拾って、表現していきたくて。それで今は、『生活にオチはない』というシリーズを1枚漫画で描いています。ちょっと変なことって、オチはないけど、実は日々の中にあるんですよね。くだらないんですが、そういうものこそ日々愛していくと、毎日楽しいんじゃないかなと思って。オチがない漫画があってもいいんじゃないかということで、そういうことを漫画で表現しています。
タカノ:我々の日々の生活も人生も、別にオチが決まっているわけではないですからね。
Kanbin:日々の繰り返しの中にある、オチはないけど、「何かこういうことがあったな」というちょっとしたイベントみたいなものを大切にしていきたいという感じです。
Celeina: いいですね。 こちらも楽しみにしております。さあ、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいています。どんな方をご紹介していただけますか?
Kanbin:墨田区の向島にある喫茶店「HOLLYday」の店主、立山紫野さんです。東京オリンピックの年に開いた「HOLLY」という純喫茶を、マスターから「継がないか」と言われて、常連だった紫野さんが引き継いで「HOLLYday」としてリニューアルオープンさせたんです。
Celeina: 次は「HOLLYday」の立山紫野さんに繋ぎたいと思います。「FIST BUMP」、今日はイラストレーターのKanbin Nagataさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann