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成瀬久美は、平和思想から織りなされる人間や社会の循環システムづくりに励む

2025.4.19

#OTHER

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

3月11日は、国際栄養士の太田旭さんからの紹介で、非営利株式会社蓮葉果紅の代表で、ピースアルケミスト(Peace Alchemist)の成瀬久美さんが登場。ピースアルケミストとしての活動内容や、寄付活動を行うようになった原体験などについて伺いました。

「身近にある平和」という世界をさまざまな領域で広げるため、肩書きを「ピースアルケミスト」に

Celeina(MC):まず、肩書きが「ピースアルケミスト(Peace Alchemist)」とのことですが、ピースが「平和」、アルケミストが「錬金術師」という意味ですよね。

成瀬:あまり聞きなれないですよね。

Celeina:初めて聞きました。

成瀬:「アルケミスト」は、古代ローマにもルーツの一端があると言われ、古代エジプトや古代ギリシャといった、はるか昔から存在しているのです。錬金術、という言葉が入るので「金を作る人」として一部では割と有名な存在ですが、簡単に言うと科学者のような感じで、いろんな要素を混ぜ合わせて何かを生み出す人のことを言います。

タカノ(MC):ということは「ピースアルケミスト」というのは?

成瀬:「あらゆる要素を用いて平和を生み出す人」という意味です。なので「アルケミスト」だけ取ると、「金でも生むのですか」とか「すごく儲かるのですか」と言われたりします(笑)。

Celeina:成瀬さんがこの「ピースアルケミスト」という言葉を作られたのですか?

成瀬:はい、自分で作りました。「アルケミスト」の語原から遡って考えて、その意味も含めて伝えたいと思ったのと、あとはさっき言った、儲かる / 儲からないという話を超えて、もっと人と人との繋がり合いとか、いろんな要素で世の中ができているということを様々な形で伝えようと思ったのです。平和のための社会運動などをやっている人からは平和活動家だと捉えられ、一方で、やっていない人からするとちょっと「あっちの世界の人だね」みたいに思われることもあって。そんな中で私は、平和はもっと身近なところにあって、みんなで作っていくものだよ、ということを伝えるために活動しています。

タカノ:具体的な活動はどういった内容ですか?

成瀬:物心ついた5、6歳くらいの時から、お手伝いをしてスプーン1杯のお米を親からもらって、食料供給を必要とする人に寄付するということをしていました。今で言うフードバンクみたいなものですね。生活が困難な人たちが多く住む地域、もしくは福祉施設に寄付するのですが、善行を積むたびにスプーン1杯のお米がもらえるので、どんどんお米で袋がいっぱいになるのが楽しくて。私はミッションスクールに通っていましたが、学校でもそうした企画があり、嬉々としてやっていました。その活動が大好きだったのですが、私が生涯にわたってやっている平和活動の原点には、その寄付活動があります。

自分にとっての平和は、昔から遠い存在ではなく、もっと身近で空気を吸うようなものだったのです。メディアでは悲しいニュースをたくさん見ますが、それを見て悲しい連鎖が広がるくらいだったら、幸せの種をどんどん自分で蒔いていけるようになりたい、そう思うようになりました。

難民問題からアーティスト・飲食店の開業支援へ。スプーン一杯の寄付と里子支援が原点

タカノ:そうなんですね。最近はどんな活動をされているのでしょうか?

成瀬:最近で言うと、難民支援などを行っています。例えばタリバンから不当な理由で殺害予告が出されている人をアフガニスタンから日本に連れてきたことがありますね。「男性はアーティスト活動をするな、女性はオリンピックに出るな」と言われてあと1ヶ月後に殺害されそうな人たちをNPOや支援してくれる人、外務省の方などにサポートしていただきながら、ちゃんと合法的に避難できるように援助しました。あとはウイグル国籍というだけで収容されてしまいそうな人をロビー活動で日本に残れるようにしたり、シリア難民の人で、もともと星付きのレストランにいた料理人の方が日本でレストランオープンできるように協力したり、そのようなことも行ってきました。

それから、音楽を通じて社会課題解決の一助を担う「TaiYou Symphony -太陽交響曲-」という非営利の任意団体も作りました。難民者数の多い国のアーティストを束ねて、そのアーティストグループと、LUNA SEAやX JAPANのギタリストであるSUGIZOさん・構成作家の谷崎テトラさんにセッションしていただいて、特別なパフォーマンスを作り上げたこともあります。少しでも難民の方たちが生きていく上で元気になってくれたらいいなと思いますし、アーティスト活動を本業にしている方にはコンサートの予定が入るようになったらいいなと思いつつ、お手伝いしています。難民支援一つとっても、言うとキリがないぐらいですね。

タカノ:多岐に渡る感じですね。

成瀬:そうですね。難民問題、環境問題、ホームレス関係の支援など、とにかくたくさんのことをやり続けてきています。

Celeina:1つ1つお話を伺っていきたいのですが、原点としてスプーン1杯のお米をもらうみたいなお話がありましたよね。それは学校でされていたのですか? それともお母様との何か約束みたいなものがあったのでしょうか。

成瀬:学校がそのような寄付活動を教えてくれました。ですが、もともと私自身が「お手伝いをして、お米をもらって、寄付をする」みたいな活動が好きで、積極的にやっていたのです。お小遣いをもらえるようになった頃には、1口100円とかで募金を募っていた当時のベトナムとかカンボジアの里子に寄付するようにもなっていましたね。当時の自分にとって大金だった500円を毎月寄付に充てて。とにかく支援すると決めていたので。あとは雑誌でペンパルを探したりもしていました。

Celeina:ペンパルというのは、文通友達のことですか?

成瀬:そうです。今のメールみたいに全然やり取りがうまくいかなくて、手紙が届かなかったり、もらえなかったりみたいなこともあったりしましたが。でも、そうやって様々な方と交流を持って、自分の活動をすることで、幸せのいい輪が広がっていくということ自体が嬉しかったのでしょうね。当時の自分もすごく幸せでした。

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