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難民問題からアーティスト・飲食店の開業支援へ。スプーン一杯の寄付と里子支援が原点
タカノ:そうなんですね。最近はどんな活動をされているのでしょうか?
成瀬:最近で言うと、難民支援などを行っています。例えばタリバンから不当な理由で殺害予告が出されている人をアフガニスタンから日本に連れてきたことがありますね。「男性はアーティスト活動をするな、女性はオリンピックに出るな」と言われてあと1ヶ月後に殺害されそうな人たちをNPOや支援してくれる人、外務省の方などにサポートしていただきながら、ちゃんと合法的に避難できるように援助しました。あとはウイグル国籍というだけで収容されてしまいそうな人をロビー活動で日本に残れるようにしたり、シリア難民の人で、もともと星付きのレストランにいた料理人の方が日本でレストランオープンできるように協力したり、そのようなことも行ってきました。
それから、音楽を通じて社会課題解決の一助を担う「TaiYou Symphony -太陽交響曲-」という非営利の任意団体も作りました。難民者数の多い国のアーティストを束ねて、そのアーティストグループと、LUNA SEAやX JAPANのギタリストであるSUGIZOさん・構成作家の谷崎テトラさんにセッションしていただいて、特別なパフォーマンスを作り上げたこともあります。少しでも難民の方たちが生きていく上で元気になってくれたらいいなと思いますし、アーティスト活動を本業にしている方にはコンサートの予定が入るようになったらいいなと思いつつ、お手伝いしています。難民支援一つとっても、言うとキリがないぐらいですね。
タカノ:多岐に渡る感じですね。
成瀬:そうですね。難民問題、環境問題、ホームレス関係の支援など、とにかくたくさんのことをやり続けてきています。
Celeina:1つ1つお話を伺っていきたいのですが、原点としてスプーン1杯のお米をもらうみたいなお話がありましたよね。それは学校でされていたのですか? それともお母様との何か約束みたいなものがあったのでしょうか。
成瀬:学校がそのような寄付活動を教えてくれました。ですが、もともと私自身が「お手伝いをして、お米をもらって、寄付をする」みたいな活動が好きで、積極的にやっていたのです。お小遣いをもらえるようになった頃には、1口100円とかで募金を募っていた当時のベトナムとかカンボジアの里子に寄付するようにもなっていましたね。当時の自分にとって大金だった500円を毎月寄付に充てて。とにかく支援すると決めていたので。あとは雑誌でペンパルを探したりもしていました。
Celeina:ペンパルというのは、文通友達のことですか?
成瀬:そうです。今のメールみたいに全然やり取りがうまくいかなくて、手紙が届かなかったり、もらえなかったりみたいなこともあったりしましたが。でも、そうやって様々な方と交流を持って、自分の活動をすることで、幸せのいい輪が広がっていくということ自体が嬉しかったのでしょうね。当時の自分もすごく幸せでした。