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多言語で詩作する佐藤雄太は、いかに美しい響きの韻が踏めるかを意識する

2025.1.17

#BOOK

インド文学に興味を持つきっかけとなった『バガヴァッド・ギーター』

Celeina:そもそもインド文学やインドの言語に興味を持ったきっかけはなんだったんでしょうか?

佐藤:高校の国語の授業で漢文を読んだ時に、「古代中国って面白いな」と思って、古代中国関連の本をたくさん読むようになりました。そのうちだんだん古代インドにも興味を持ってきて、古代インド関連の本を読んだら楽しかったんです。『バガヴァッド・ギーター』という有名な古典文学があるんですけども、それの岩波文庫の翻訳を読んだら面白くて。「もっと詳しく深掘りしたいな」と思って進路を決めました。

タカノ:『バガヴァッド・ギーター』は僕も最近すごく注目しているんです。

Celeina:昨日も放送以外のところでお話しされていましたよね。

タカノ:「明日のゲストの佐藤さんって『バガヴァッド・ギーター』読んでいるのかな?」と話していました。

Celeina:『バガヴァッド・ギーター』について、ご説明いただいてもよろしいでしょうか?

佐藤:サンスクリット語で書かれた古典です。『マハーバーラタ』と言われるすごく長い叙事詩があって、その中の一部分を切り取って、聖典のような扱いをされている文献です。何が書かれているかというのを一言で言うのは難しいんですが、有名な部分で言うと、ある行為をする時に「結果のことを考えてするんじゃなくて、行為そのものに打ち込むべし」という教えがあります。これはすごく普遍的な教えで、我々にも通ずるんじゃないかなと思います。

タカノ:意外と経営者の方が読んでいたりして、ビジネス界隈でも注目されているみたいですね。

佐藤:ビジネスをやるなら行為の結果を気にした方がいいと思いますが(笑)。

タカノ:言われてみればそうですね(笑)。『バガヴァッド・ギーター』は『マハーバーラタ』の一部分だから、単体で読んでもよくわからないという噂も聞いていて。なので僕は、とりあえず『バガヴァッド・ギーター』をかいつまんで説明している入門書を購入しました。

佐藤:いきなり翻訳を読んでもわかると思いますし、独立して読まれてきたという歴史もありますよ。あとは『マハーバーラタ』全体に関心がある場合でも、最近は入門書がいっぱい出ているので、そういう本を横に置きながら『バガヴァッド・ギーター』を読むと、わかるようになると思います。

タカノ:『マハーバーラタ』ってどれぐらいのボリューム感なんですか?

佐藤:一応全18巻ということになっているんですけど、1巻が辞書くらい分厚いんです。

タカノ:すごいですね。佐藤さんはもう読破されているんですか?

佐藤:いや恥ずかしながら、まだ全部は読めていないんです。一生かけないと読めないかな、と思っています。

タカノ:時間もかかるし大変ですよね。「結果を考えずに行為をすべき」というお話もありましたけど、他にお気に入りの一節だったりとか、人生で参考にされている部分はあったりしますか?

佐藤:『バガヴァッド・ギーター』は、同じ民族だった人たちが内輪で戦争をするというところから始まるんですけど、アルジュナという戦士がいて、戦いを前にしてビビってしまうんですね。それで、隣にいる友達兼神様のクリシュナという人に「もう戦うの嫌になっちゃったからやめようかな」と言うんですよ。 そこでクリシュナは叱咤激励して、「いや、お前は戦うべきだ」と励ますシーンが好きです。

タカノ:いいですね。

佐藤:アルジュナとクリシュナは友達でもあり、人と神でもあるんですよね。11章で、今まで気軽に話しかけていたクリシュナがいきなり神の姿を見せるシーンがあって、「今まで友達と思って気安く喋っていてごめん」とアルジュナがクリシュナに謝るシーンがあるんですけど、そこは面白いなと思います。

タカノ:佐藤さんには『バガヴァッド・ギーター』の解説をYouTubeとかでやってほしいですね。もっと聞きたいです。

佐藤:機会があれば(笑)。

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