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東出昌大に密着したドキュメンタリー『WILL』のプロデュースを担当
タカノ:確かにテレビ番組と違って、映画の方がより作家性が出せますよね。そして、2024年に公開になった東出昌大さんのドキュメンタリー『WILL』。これはすごかったですね。
Celeina:私は衝撃を受けました。東出昌大さんにフォーカスしているということだったので、内容的にどんなものになるのかなと思って見始めたんです。そうしたら、最初の狩猟をしていらっしゃるシーンで、痛々しい動物の死体が映るところからスタートして。でも見ていくうちに、どんどんテーマ性が深いところに行きつきますよね。生と死についてのお話だったり、メンタルヘルスのことだったりとか、テクノロジーが進化している中での生活の送り方や、SNSとの向き合い方とかも考えさせられました。そこにMOROHAさんの音楽も混ざってきて、ラストシーンは本当に泣きそうになりました。
タカノ:僕は週刊誌の記者を山に呼んで、狩猟と記者の仕事の共通点みたいな話をしていくシーンが好きでした。全体的にひたすら肉を捌くシーンがとても多くて、我々も慣れていくと言ったら変ですけど、生きるとはこういうことだなということを感じながら、身に染みていく映画でした。
高根:ありがとうございます。
Celeina:『WILL』はどんな経緯で制作が始まったんですか?
高根:もともと劇中に登場するMOROHAのドキュメンタリー番組を『SPACE SHOWER TV』で作ろうというところからスタートしたんです。作っている途中で、監督のエリザベス宮地くんから「実は東出くんのドキュメンタリーを作っているんですけど、高根さん興味ありますよね?」って言われたんですよ。
Celeina:興味がある前提で話を持ちかけられたんですね(笑)。
高根:興味ないわけないじゃんと話をしていました。ただその話をしていた時期は、東出くんにいろいろ騒動があって、本当にどん底の時期だったんですね。多分お仕事もなくなって、周りからも人がいなくなったりした時期だと思うんですけれども、ここまで有名で、あそこまで世間で叩かれた人ってなかなかいないと思うんですよ。そういう人が今後どうやって生きてくのかにすごく興味があったので、ぜひ映画を作りたいなと思ったんです。でもやっぱり、ドキュメンタリー映画としてどうなるかは、作り始めてみないと何ともわからないんですよね。
Celeina:確かに結末はわからないですもんね。