グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月24日は、番組からの推薦で、ひとり出版社「石原書房」の石原将希さんが登場。ポッドキャスト番組を書籍化した『奇奇怪怪明解事典』の刊行秘話や、書籍化したいと思う番組の条件などについて伺いました。
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自分で全て決定できるひとり出版社「石原書房」
Celeina(MC):今日は「石原書房」から刊行されている『奇奇怪怪』を持ってきました。この本はDos MonosのTaiTanさんとMONO NO AWAREの玉置周啓さんのポッドキャスト番組が書籍化されたものの第2弾なんですけど、実際私もポップアップショップで購入したんです。
石原:嬉しいです。ありがとうございます。
Celeina:石原さんは昨年「石原書房」を創業されたとのことですが、それまでは出版社にお勤めだったのでしょうか。
石原:5年ほど出版社で務めていたんですが、昨年の頭に編集部から外れることになって。もともと1人でやってみたい思いもあったので、丁度良いタイミングだと考えて独立しました。2023年に2冊出版して、9月末に畠山丑雄さんの『改元』という新刊を発表します。
タカノ(MC):新作も気になりますが、出版社は完全に1人で運営されている?
石原:全て1人でやっているので、業務量は全然違いますね。出版社に勤めている時は、印刷所とのやり取りや物流、経理などはそれぞれ担当の部署の人がいましたが、今は全て自分でやらなきゃいけない。その代わり、決定権が自分にあるので気楽でもあります。

タカノ:熱量を持って、出版できると。
石原:何をやるか、何をやらないかを決められる点は良いと思います。
タカノ:そもそも出版社に勤め始めたきっかけは何だったんですか?
石原:新卒で務めた会社は全く関係ない工作機械のメーカーだったんですが、もともと本が好きだったこともあって、やっぱり本の制作にかかわる仕事がしたいと思ったんです。そこで求人に応募したら、運よく拾ってもらえました。
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ポッドキャスト『奇奇怪怪』が本になるまで
Celeina:そこに務められていた頃に、『奇奇怪怪明解事典』を出されたということで。ポッドキャストを本にしようと考えた経緯を教えてください。
石原:僕が編集者として最初に作った本が、乗代雄介さんの『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』という本なんですね。それを読んでくれたTaiTanさんがSNSにコメントを書いてくださったんです。そこでDMをお送りしたことをきっかけに交流が始まり、TaiTanさんからポッドキャストを本にしたいというお話をいただきました。
タカノ:辞書みたいな厚さでハードカバーへのこだわりも感じます。
石原:務めていた出版社が装丁にこだわっている会社だったので、その辺は自由にやらせてもらいました。
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話している内容とスタイルの面白さの両立が書籍化の鍵
タカノ:ポッドキャスト番組の『奇奇怪怪』も素敵で。石原さんが考える番組の魅力は何ですか?
石原:もちろんお2人が話している内容が面白いというのもありつつ、お2人の関係性があるからこそ出てくる個々の人間性と身体性があって、リズムやテンポ、ニュアンスが良いんですよね。話している内容ではない、スタイルの部分に魅力を感じます。
あとは、自分たちで勝手にやっているということ。コロナ禍でミュージシャンとしての活動が制限されたことを機に始めたポッドキャストが、誰に言われるでもなく5年間続いてきて、豊かに展開されているのも素敵だなと。そういうお2人の姿を見ていたから、僕も独立を決意できたんだと思います。
タカノ:身体性というワードも出ましたが、音で聴くリズムを文章に起こしていく難しさがあると思います。
石原:放送を聴いて湧き起こるものと、活字を読んで湧き起こるものが一致するように隅々まで工夫しました。語尾を変えたり、ビックリマークを付け外ししたりと、細かいところの調整でかなり印象が変わってくるので。
Celeina:大変な作業ですね。1冊の制作にどれくらいの期間がかかったんですか?
石原:半年ほど制作期間に費やしました。
タカノ:石原さんの魂が籠った1冊をぜひ皆さんも手に取ってみてください。実は、最後にお聞きしたいことがありまして。『GRAND MARQUEE』が書籍化されるためにはどのような番組を目指していったら良いのでしょう。
石原:先ほど話したこととも繋がるんですが、話していることの面白さとスタイルの面白さの両方を持っているものは本にしたいなと思います。
Celeina:頑張って目指していきます。さて、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいているのですが、石原さんがご紹介してくださるのはどんな方ですか?
石原:小説家の金子玲介さんです。出版業界に入る前から交流があり、演劇に連れて行ってもらったりしていたんですが、昨年金子さんがデビューされたことをきっかけに再び連絡させていただいて。どの作品も本当に面白いんですよ。
Celeina:ありがとうございます。明日は、金子玲介さんに繋ぎます。今日はひとり出版社「石原書房」の石原将希さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann