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身近に感じられた「生と死」が作品に影響する
タカノ:「再生と破壊」がテーマということじゃないですか。それには何かきっかけがあるんですか?
CHiNPAN:今5歳の娘がいるんですけど、娘が生まれるタイミングと、15年間一緒に連れ添った愛犬が亡くなるタイミングが被ったんです。その時に、生と死について考えることがすごく多くて、それを作品に残したいという思いがあって個展を開いたんです。今もそのテーマを掲げて作品作りをしています。
Celeina:そうだったんですね。
CHiNPAN:「再生と破壊」も含め、「生と死」というのは表裏一体なんです。私の最近の作品の中では昆虫のモチーフが多いんですけど、昆虫ってさなぎの中で液体みたいにぐちゃぐちゃってなってから成虫になるんですね。そんな再生と破壊を繰り返して、大きく脱皮していくということを表現したくて作品を作っています。

Celeina:なるほど。
タカノ:この話を聞いてから作品を見ると、印象が変わりますね。先ほどお子さんのお話も出ましたけど、生活と作品というのは結びついているんですか?
CHiNPAN:ちょっと難しいんですけど、作品自体にはあまり関わってはいないような気もしています。もう1つのライフワークとして、水墨画に馴染みを持ってもらうためにタトゥーシールを作っているんです。そこで身近なものモチーフにする中で、娘の愛用しているテディベアとかお寿司とか、みんなに楽しんでもらえるものを選んだりしています。
Celeina:これってタトゥーシールだったんですね。
CHiNPAN:そうなんです。
タカノ:水墨画のエビのタトゥーシール、めちゃくちゃかわいいですね。
Celeina:目を引きますよね。プロフェッショナルとして水墨画を作りながらも、タトゥーシールというみんなが入りやすい入口も作ってくださっているCHiNPANさんの姿勢が、すごく素敵だなと思いました。
CHiNPAN:ありがとうございます。